一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品の作り方
大手メーカーや既存のメーカーがすでに販売しているような商品を作っても、知名度や販売力で圧倒的に劣っている我々が勝てるわけがありません。
我々個人や小規模事業者が、他のメーカーや大手ブランドに勝つ方法は「一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品」を作るしかありません。
一言で言えば「差別化」です。
他のメーカーの商品にはない、独創性の高い商品を作ることがガレージブランドへの第一歩です。
ニッチな市場とユーザーで勝負する!
ただ、商品にブランド名を付けたり、ロゴをつけたりしてもなんの差別化にもならないのは前回お伝えした通りです。
現段階で誰も知らないブランドの名前やロゴには、1ミリも価値がありません。
もちろん名前やロゴはこれから浸透させていく大事なものですし、自身のモチベーションアップにもつながるので、全く無意味とか、無駄という意味ではありません。
ただ、ガレージブランド作りの「本質」においては、名前やロゴはあまり意味を持ちません。
こだわるべきポイントは名前でもロゴでもなく、また価格でもありません。
価格を削って薄利多売する販売スタイルは、資本や販売力の小さい我々個人や小規模事業者がやれば労力だけがかかり疲弊するだけです。
我々はあくまでも「品質」と、「機能・性能」で勝負しましょう。
それも大手が作っているような、10人中8~10人が欲しいと思うような商品ではなく、「10人中1~2人が絶対どうしても欲しい!」と思うようなニッチな商品です。
そのためには企画段階で、「この商品はどんな人に売るのか」という、ターゲット(ベネフィットとかペルソナとも言います)をしっかりと考えなくてはいけません。
いくら差別化と言っても、奇抜なものを製造販売すればいいわけではありません。
「差別化」という言葉に囚われ、こだわりすぎた挙句、「確かに今までにない商品だけど、誰一人欲しがらない商品」なんて作ってもお金と時間の無駄です。
そんな間違いを起こさないように、差別化を意識しつつも、必ず企画段階で「少数の刺さるユーザー」を想定して新しい商品を開発しなくてはいけません。
マーケットインとプロダクトアウトを知る
商品開発では、「Market in(マーケットイン)」と「Product out(プロダクトアウト)」という2通りの考え方があります。
この2つにはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがありますので、そこを理解したうえで商品作りに活かしましょう。
Market in(マーケットイン)
マーケットインは商品作りの基本となる考え方で、「お客様の声や視点を意識した商品開発を行う」ことです。
先述したターゲットやベネフィットの設定も、このマーケットインです。
マーケットインのメリットは、「リスクが小さい」点です。
事前に市場・お客様のニーズをリサーチしているので、その声を商品作りに反映させることができます。
従って、大きくニーズを外すことはなく、ニーズに沿って開発された商品は一定の売上が見込めます。
また、実際のニーズを元に商品開発しているので、商品の役割や魅力を伝えるのも容易です。
お客様に「こんな商品が欲しかったのでは?」とシンプルに提案するだけで、使い方や機能などを細かく説明する必要がありません。
安定した売上や利益が見込めるので、個人や小規模事業者はこのマーケットインから入るのがおすすめです。
Product out(プロダクトアウト)
プロダクトアウトは、「自分が作りたいもの、好きなものを作る」方法です。
ニーズのリサーチなどはほとんど行わず、自分を信じて自分が好きなもの、好きなデザインに徹底的にこだわって商品を開発します。
プロダクトアウトのメリットは、自分のこだわりが詰まった製品を販売するため、独創的な商品を生み出しやすく、他の製品と大きく差別化ができる点です。
しっかりと差別化ができ、しかもその製品にニーズがあれば独占的に販売できる大ヒット商品を生み出せるかもしれません。
その一方で、自分以外誰一人刺さらない、欲しがらない商品を生み出してしまう可能性もあります。
テレビなどで芸術家がとんでもなく奇抜な作品を作っていて、「こんなの誰が買うんだろう…?」と思った経験はありませんか?
プロダクトアウトもこのような状態に陥りやすいのです。
また、プロダクトアウト製品は先ほどのマーケットインの商品と違い、自分の中にある機能や製品を具現化したものなので、お客様に商品の機能や良さを一から説明する必要があります。
そのための広告宣伝費にも予算を回さなくてはいけませんし、商品の魅力を正しく伝える商品ページの作成にも手間をかける必要があります。
一言で言えばプロダクトアウトは「ハイリスク・ハイリターン」です。
資金の無い個人や小規模事業者がプロダクトアウトで商品開発を行うと、ハイリスクハイリターンどころか、事業の命運をかけた「一か八か」になることも多いです。
もちろん資本に余裕ができたらプロダクトアウトもおすすめですが、資金に余裕が無いうちはあまりお勧めできません。
「一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品」はマーケットイン
今回のテーマである「一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品」を作るなら、先ほどのマーケットイン方式が最適です。
ここまで読んだ方の中には、「一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品はプロダクトアウトでは?」と疑問に思った方もいると思います。
ですがプロダクトアウトは、「自分が作りたいものを作る」ので、ニーズそのものを探っていません。
「そもそもユーザーに刺さるかどうかもわからない商品」を作るため、「誰にも刺さらない商品」が出来上がるかもしれません。
もし商品がほとんど誰にも刺さらなかった場合、宣伝しようが売り込みをかけようが売れません。
一方でマーケットインは事前にきちんとリサーチをするので、「10人中〇人が欲しがる商品を考える」というバランスを取るのが容易です。
マーケットインで、徹底的に調べて考え抜かれた商品がやがて「一部のユーザーに強烈に刺さる、独創性の高い高品質な商品」につながるはずです。
最後に
かなり複雑な内容となってしまいましたが、簡単にまとめると「お客様の方を向いた商品開発・販売を行う」、たったこれだけです。
ただし、我々が目指すのはガレージブランドなので、「100人中100人の方を向いた万人向けの開発や販売をしない」のが大前提です。
一方で、ニッチを攻めるあまり、「100人中誰一人見向きもしない独りよがりな開発や販売」になってもいけません。
このバランス感覚を身に付けるには苦労しますし、時間もかかります。
ですが、中国輸入ビジネスで成功するためには必須の感覚なので、少しずつ実践して経験を積み上げていきましょう。
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