Amazon中国輸入ビジネスで知っておくべきお金に関する3つの事
中国輸入はもちろん、どんな物販ビジネスを始めるにしても、初心者が最初に学ぶのは「リサーチ」とか「販売方法」ではありません。
もちろんリサーチも重要ですが、それよりもまず、それもできるだけ早く「お金のこと」について知っておく必要があります。
お金の中でも特に「支出」について知っておかないと、ビジネスを始めてどんなに優秀なリサーチ技術を学んだとしてもきっと成功しないでしょう。
例え高く売れる商品を見つけても、支出に無頓着だったらどんなに働いても利益は伸びませんし、下手したらただ働きか赤字です。
また、利益が伸びないことに気づいて悩んでも、支出について把握していないと「何が利益を妨げているのか」すら理解できません。
そして「何が利益を妨げているのか」が分からないと、「削減」も「改善」もできませんね。
物販ビジネスは、商品を仕入れて販売して利益を出すビジネスですが、そのプロセスの中の至るところで「支出」が発生します。
物販の数式は「仕入れー販売価格=利益」ではなく「仕入れー販売―支出=利益」なのです。
・経費
・税金
・支払方法
この支出には様々ありますが、今回は特に初心者が知っておくべきこの3つの支出について解説します。
できるだけ簡潔に解説しますので、ここで得た知識を土台に、さらなる知識を得てビジネスに活かすようにしてください。
経費を理解しているか
経費は「ビジネスをする上で必要な支出」です。
この経費には2種類あります。
・仕入れなど、アクションごとに都度発生する「変動費」
・毎月(毎年)一定の支払いが発生する「固定費」
変動費とは、例えば仕入れをしたときや、仕事に必要な備品・消耗品を購入した時などに発生する経費です。
例えば中国輸入で商品を仕入れると、商品代金の他に様々な経費が掛かります。
1.中国国内送料
2.国際送料
3.関税
4.消費税
5.為替交換手数料
6.輸入代行業者への手数料
7.自宅までの送料
8.FBA倉庫への送料
9.Amazon販売手数料
10.FBA手数料等
商品の種類や大きさ、重さによって都度金額は変わりますが、仕入れ一つでこれだけの経費がかかってきます。
当然ながら中国輸入ビジネスを行うのであれば、これらの支出は必ず把握しておかなくてはいけません。
先ほども書きましたが、ビジネスは「仕入れ―販売―支出=利益」です。
アクションごとに金額が変動するので把握はかなり大変ですが、ここをしっかりと把握しておかないと、仕入れられるのか、またいくらで売ったらいいのかも決まりません。
一方で固定費は変動費よりは分かりやすく、例えばAmazon大口出品者利用料やリサーチツール使用料と言った「毎月(毎年)定期的に必ず発生する経費」です。
この固定費は売り上げの額に関係なく、一定額必ず発生する支出が多く、固定費が多いと売り上げが低い月などではじわじわと利益を圧迫します。
固定費は「毎月一定」という所がポイントで、固定費の中には払っている費用に対してリターンが多いもの、少ないものがあります。
例えば毎月49個以下しか販売しないのにAmazon大口契約をしているのは無駄な部分が多いですね。
※小口契約は月額無料で、1個販売ごとに販売手数料とは別で100円かかり、大口は毎月4900円固定のため、毎月49個以下の販売数なら小口のほうが経費は安い
家計でもそうですが、不要な固定費を削減すると経営が一気に健全化します。
固定費は計算しやすい項目なので、必ず毎月いくらかかるか把握しておき、マイナスにならないよう、それを上回る売上を発生させるようにしましょう。
また無駄だと思う固定費があれば削減や縮小も検討して、手元により多くの利益を残す工夫も行っていきましょう。
特に売り上げが小さいうちはリターンの少ない固定費や、費用対効果に見合わない固定費を見直すだけでも利益が大きく増えます。
税金を理解しているか
中国輸入ビジネスでは国内販売よりもさらに多くの税金がかかります。
かなり複雑で初心者には理解しにくい部分が多いのですが、ここもしっかりと理解しておく、もしくは少なくとも8割程度は理解しておきましょう。
1.関税
2.所得税
3.消費税
関税は輸入品にかかる税金で、製品ごとに掛けられるため0%の物もあれば高い関税がかけられるものもあります。
また輸入する国によっても異なるため、特に把握が難しいややこしい税金と言えるでしょう。
100%把握しようとすると、多分ビジネスを始めるのが何年も先伸ばしになってしまうので、この関税に関してはまずはざっくりと「10%程度かかる」と思っておいてOKです。
特殊な商品を扱わない限り関税が10%を超える製品はそう多くないため、大体この範囲内に収まり、少なくとも赤字は避けられます。
次の所得税ですが、個人事業主なら毎年2月~3月に行う「確定申告」で、前年度の所得を自分で計算し、所得税額を算出して国に収めることになります。
所得、つまり利益に対して掛けられる税金ですので、一定以上の利益が出てれば発生しますし、稼げば稼ぐほど所得税の額(税率)も高くなります。
もちろん確定申告をしない場合は「無申告(いわゆる脱税)」となるので注意しましょう。
3つ目の消費税ですが、中国輸入ビジネスでは輸入時にかかる「輸入消費税」と、商品販売時に消費者から受け取ったとみなされる「消費税」があります。
輸入消費税に関しては仕入れに対して発生し、輸入代行業者を利用していれば関税と一緒に請求されます。
仕入れのタイミングと請求までにタイムラグがあるので、支払い用の現金を手元に残しておかないと、後で苦しむことになります。
国内消費税は、私たちが普段買い物のときに払っている消費税のことです。
消費側のときは支払うものでしたが、販売側の場合、消費者(商品購入者)から受け取った消費税を消費者に代わって国に納めなくてはいけません。
ただし、事業開始から2年間、もしくは「前々事業年度の売上が1000万円以下」の条件を満たした免税業者であればこの消費税を納める必要はありません。
ですが、ある程度の中国輸入ビジネスをやっているとこの「売上1000万円以下の免税業者」の条件に収まることはあまりないと思います。
規模の小さい初心者や副業の方はとりあえず「売上が1000万円を超えたら翌々年から消費税を納める必要が出てくる」と覚えておきましょう。
売上という大きな金額に対して課されるので、納める額もかなりまとまった金額になります。
これを忘れて、現金をあらかじめ用意していないと、翌々年に非常に困る事になります。
ここで説明した3つの税金は性質や額は違いますが、共通しているのは「後から支払う」という点です。
その場での支払いと違って、タイムラグがある点に注意しましょう。
例えば、この税金を忘れて事業規模を大きくすることばかり考え、持っている現金すべてを仕入れにつぎ込んでしまうと、後から税金を請求されたときに支払えなくなります。
お金が無くて税金を滞納してしまった、なんてことにならないよう税金は必ず把握しておき、いつでも支払えるだけの現金は常に手元に準備しておくようにしましょう。
税金というのはベテランでも複雑で分かりにくいものです。
もし不安な点があれば、お近くの税務署や税理士さんに相談されることをおすすめします。
税理士さんへの相談は基本的に有料ですが、自治体によっては定期的に無料相談会も設けているようです。
一度調べてみてはいかがでしょうか。
支払い方法を理解しているか
仕入れの際、輸入代行業者を利用した場合の支払い方法には2種類あります。
・クレジットカード(PayPal含む)
・銀行振込
どちらで支払うかは個人の事情や考え方によっても異なりますが、初心者におすすめの支払い方法は銀行振込です。
銀行振り込みは現金払いのため、自分の支払い能力を超えることが無い安全な支払い方法だからです。
分かりやすく言えば「持っている現金以上に仕入れることが無いので破綻しにくい」のです。
ただ、銀行振り込みは資金が無いとできませんし、資金があっても持っている現金以上の仕入れができません。
そのため、資金が無い方はクレジットカードを利用するやり方もありますし、物販を指南している方の中にはそれを推奨している方もたくさんいます。
確かにクレジットカードはカードの利用限度額内であれば、手元に現金が無くても仕入れが可能になりますし、持っている額以上の仕入れも可能です。
支払いに関しても、仕入れた商品をすぐ売って翌月までに売上金が入ってくれば問題ありません。
現金がない状態でも物販を始められますし、支払いを遅延させることなく、枠を使い続ければ利用限度額がアップし、より大きな仕入れも可能になります。
元手が無い方が手っ取り早くビジネスが始められ、事業規模も急成長させられる支払い方法と言えるでしょう。
ただ、「現金が無くても仕入れができ、支払いも仕入れた商品を売って売上金が入ってくれば問題ありません」とさらっと書きましたが、実はこれ、結構怖いことです。
なぜなら裏を返せば「仕入れた商品が売れなかったら、支払いができない」という意味でもあるからです。
特に初心者は売れる商品の見極めスキルが不足していることが多く、「仕入れ⇒販売⇒現金回収⇒仕入れ」のサイクルがうまく回せないことがあります。
クレジットカードの支払いは基本翌月なので、少なくとも1カ月以内にこのサイクルを綺麗に回さなくてはいけないのですが、確実ではないですよね。
リサーチ能力不足などの自身の問題もあれば、市場のニーズの変化やライバルセラーの動向といった、突発的で予測が難しい事情で商品が急に売れなくなることもあります。
上級者であればそもそも売れない商品を仕入れる確率は低いですし、トラブル時も多くの商品を扱っていれば損切りや赤字処分して大急ぎで現金を確保することもできます。
ですが現金も在庫も少ない初心者の場合はこうした緊急対策が難しく、クレジットカード仕入れで商品が売れなかった場合は即ビジネスが破綻します。
万が一クレジットカードの支払いを遅延させて、信用情報に傷が付くと、日常生活にも支障が出ますし、もっと大きなビジネスをしたいときに大きな障害となるかもしれません。
もちろん資金の問題で初めにクレジットを使用するしかない、という方もいると思うので、クレジットによる仕入れを否定はしません。
ただ、クレジットは「早急に返す必要がある借金を背負って仕入れるリスクのある方法」だということを肝に銘じて、慎重に扱う必要があります。
先述したようにふとした拍子に支払いができなくなる可能性もありますし、手軽な分知らず知らずのうちに自分の支払い能力や販売能力を超えた仕入れをしてしまう可能性もあります。
現金があるのなら、できる限りクレジットではなく銀行振り込みにしたほうがこれらのリスクを避けて安全にビジネスを始めることができます。
「手持ちの資金では利益が大きくならない」、という方もいますが、それが現時点での自分の現実、現状なのです。
無理して破綻するより、自分の管理できる範囲内でビジネスを行い、利益をゆっくり少しずつ増やしていき、確実にビジネスを伸ばすことをおすすめします。
身の丈にあった範囲からビジネスを開始する、と言うことです。
以上の理由からクレジットカードによる仕入れよりは、安心安全な銀行振り込みから始めると良いでしょう。
最後に
ビジネスを始めたばかりは右も左もわからない状態です。
複雑で専門的、かつややこしい様々な知識を最低限のレベルまで勉強しなくてはいけないため、面倒がって「後から何とかなる」と、見切り発車でビジネスを始めてしまう方も多いです。
趣味や副業レベルの金額の小さい範囲ならそれでも何とかなるでしょう。
ですが、本格的に利益を求めてビジネスをするのであれば、お金に関する知識は絶対に知っておかなくてはいけません。
でないと、他人に迷惑をかけてしまうのはもちろん、自分自身の身の破滅すら呼び込んでしまうことになります。
ビジネスで発生する支払いは「友人にする借金」とはレベルが違います。
支払えなくても、支払った結果経営が破綻するとしても容赦なく請求される、「なあなあ」が許されない世界です。
「とりあえず難しい話とか細かい話はあとにして…」なんて思っている方は今すぐその認識を改め、せめて最低限必要なレベルまでお金の知識を学びましょう。
特に今回挙げた3つは基本にして要の部分ですので、ビジネスを始める前に必ず学んでおいてください。
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