【前回から一年余りでAmazonFBAが再値上げ…理由と対処法について解説】
今回のテーマは2019年2月から1年ちょっとで再度値上げとなった「Amazon FBA手数料」についてです。
Amazon物販をしている方にとってはお馴染みのAmazonFBAは、その名の通りAmazonの物流倉庫です。
私たちセラーはこのFBAに商品を納品し、保管と管理と発送をAmazonに委託して、注文が入ったらここからお客様のもとに私たちの商品が発送されていきます。
FBAの利点は何といっても商品の保管と管理、発送といった物販事業の手間やデメリット、リスクをすべてAmazonが引き受けてくれる点です。
大量の商品を輸入して販売する私たち中国輸入ビジネスの事業者にとって、なくてはならない非常にありがたいサービスです。
当然ながらこのFBAは無料サービスでもなんでもなく、利用するには所定の手数料をAmazonに対して支払う必要があります。
注文が入った時の梱包と出荷を代行してもらう発送手数料はもちろん、保管している間にも毎月所定の保管手数料を支払わなくてはいけません。
この各種手数料、商品一つで考えるとそれほど高額ではなく、その料金も売上金から相殺されるのであまり気にしていない人も多いようです。
ですが、全体を通してチェックしてみると年間かなりの額を払っています。
把握していない人は一度手数料を年間いくら支払っているか確認してみましょう。
きっと思っていたよりも大きな数字が出て、頭を抱えるはずです。
そんなFBA手数料ですが、なんとまた値上げされてしまいました。
2019年2月に引き続きFBA手数料が再度値上げ
まず、値上げを含む今回の改訂内容については以下のリンクで確認してみてください。(セラーセントラルへのログインが必要です)
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/help.html?itemID=G201411300&
改定内容の一部を紹介すると、大きく変わったのが「特大型」区分の新設と、区分ごとの手数料の変更です。
FBAでは商品は大きさに応じて「区分」というカテゴリーに分けられ、区分によって保管手数料や発送手数料が異なります。
今回の改定によりこの区分に「特大型」という新しいカテゴリーができました。
今までの「大型区分」よりもさらに高い手数料がかかりますので、大型の荷物を扱う方は自分の商品が特大型に該当しないかどうかよく目を通しておきましょう。
そして今回の主題でもある「区分による手数料の変更」で、「小型」「標準」「大型」それぞれ発送手数料が値上げされました。
改定内容の一部を紹介します。
・小型は改定前257円⇒改定後282円で約9.7%アップ
・標準で一番小さいサイズが改定前361円⇒改定後381円で約5.5%アップ
・大型で一番小さいサイズが改定前575円⇒改定後589円で約2.4%アップ
小型は1個あたり25円、標準は20円アップ。
1個単位で見るとそこまで大きな額ではありませんが、中国輸入ビジネスのような大量に商品売っていくスタイルの場合、この手数料の積み重ねが非常に痛いです。
例えば小型商品をメインで扱っている方はFBAの経費が単純に9.5%アップしたわけです。
金額で言えば、1,000個売ったとすれば25,000円の経費負担増、1万個売れば25万円の経費負担増。
これだけの金額がただ単純に負担として増えてしまいました。
基本的に小型商品は薄利多売なので、20円~25円の値上げでも相当厳しいです。
さらに言えば前回2019年の2月に値上げしたばかり、わずか1年ちょっとで再値上げ…なんだか納得いかないですね。
マルチチャネルも2019年6月に値上げしているので、Amazon全体のサービスで考えると1年もたたないうちに続々サービスの手数料を値上げしていることになります。
今回区分を改定した理由
値上げの要因についてはAmazon側の人手不足による賃金上昇や、取扱量の増加による保管、発送コストの増大といった色々な要因があるでしょう。
我々としては非常に痛い値上げですが、Amazonとしてはサービスの質を保つために必要な措置と判断した結果です。
値上げに文句を言ってもAmazonが値上げを取りやめるわけでもありませんし、「じゃあAmazonを使わない」という選択もできません。
つまり値上げ自体に文句を言っても何も変わらず、建設的ではないので納得するしかありません。
ただ一つ疑問なのが、なぜ今回Amazonは値上げはともかくわざわざ新しい区分まで作ったのでしょうか。
今後のビジネスの方向性にも関わることなので私なりに考察してみました。
ネットで買い物をしているとつい忘れがちになりますが、注文して商品が届く以上、商品は常にどこかに保管されています。
それは私たち事業者の自宅や事務所、倉庫だったりAmazonのFBAだったりするわけです。
Amazonのような日本の生活を支えている超巨大物流業になると、その倉庫は一般人には想像できないほど広大です。
しかしその広大な倉庫も、日本全体の消費を考えると全然足りていない状況です。
足りないからと言って次々に新しい倉庫を作れば、経費がAmazonの経営を圧迫します。
つまり今ある限られた倉庫で何とかしたい。
そうなった場合一番手っ取り早いのが「大きい商品をなくす」ことです。
大きい商品も小さい商品も梱包の手間はそれほど変わりませんが、大型商品は小型よりもはるかに保管スペースを圧迫し経費がかかります。
となると、Amazonとしては保管スペースが少なく、大型商品と手間はそれほど変わらない小型商品が増えたほうが都合がいいわけです。
大型商品はそれなりに手数料がかかりますが、小型商品の10倍の大きさの商品で10倍の手数料を取れるわけではありません。
そんな事情もあり、今回「特大型」という手数料の高い区分を増やし、大型商品全体を締め付けようというつもりかもしれません。
もしそうだとしたら大型商品に対する風当たりは、今後さらに強くなるかもしれませんね。
手数料改定のタイミングで事業の方向性を考える
今回の手数料改定により、小型を扱う事業者も大型を扱う事業者もかなり経営が厳しくなりました。
大型商品の締め付けが厳しくなったこともあり、ひょっとしたら今後手数料の高い大型商品から標準や小型の商品に切り替える業者が増えてくるかもしれません。
小型や標準がメインの私たち中国輸入事業者は、今後販売競争が激化する可能性を視野に入れておく必要があります。
もちろんその中でも価値のある商品を扱ったり、勝ち残れる販売戦略を練って生き残る道を模索しなくてはいけません。
ですが、一方で負けてしまう可能性も否定できません。
ライバルが増えればその分サービスや価格競争に追従できずに経営で負けてしまう事業者も出てきますし、流入してきた事業者ごと共倒れになる可能性もあります。
その辺を踏まえたうえで我々は「今まで通り小型商品を扱って勝ち抜く」のか「別の商品を扱ってブルーオーシャンを目指す」のかの経営判断を迫られています。
もし別の商品を扱うなら、特大型商品の新設で今後人気が出なくなりそうな大型商品や重量物を扱うのも一つです。
他の事業者が敬遠した商品ジャンルを扱ってみたら、競争相手がほとんどいなくなっていて意外と簡単に利益を出せた、なんてケースもあり得ます。
「人の行く裏に道あり花の山」
これは投資の格言で、一見誰も通らないような険しい道の先にこそ宝がある、という意味です。
要するに「他の大勢の人がやらないことをやれ」です。
ライバル全員が「大型商品は重いし大きいし手数料高いから扱っても意味がない」と思えば大型商品はライバルのいない、独占市場になるわけです。
大きくて重い商品でも、ライバルが少なく価格競争にならなければいくらでも稼ぐ方法はあります。
物販は「稼げる見込みがある大きな流れやセオリー」があり、多くの人がその大きな流れに沿って事業を展開します。
もちろんセオリー通りに事業を展開すれば手堅く稼げる、もしくは稼げる可能性は高くなりますが、人が多くなればなるほど競争が激化し、やがて利益を出すのが難しくなります。
今回のFBAの改定のような変化が起き、今やっている事業がライバル過多の状態になってきたら他の人がやらないブルーオーシャンの商品が無いか探してみましょう。
もちろんリスクもありますが、タイミングを見計らえば独り勝ちして莫大な利益を上げることも可能です。
まとめ
AmazonFBAの手数料改定や新しい区分の新設は、多くの事業者にとって負担が増え利益が減る辛い状況です。
とはいえ、Amazonを利用して中国輸入ビジネスをやる限りFBAをやめるわけにはいきません。
自前の倉庫や梱包スタッフを使ったらその何倍もの経費がかかることになります。
つまり今後もAmazon FBAの手数料が上がったとしても、毎回その条件の中で利益を出せるように戦略を練らなくてはいけません。
結局Amazon FBAをやめるか、定められたAmazonの条件の中で稼ぐかの二択しかないのです。
今後もAmazonを利用して稼ぐ場合、改定や規約変更といった変化が起きたときは経営をしっかり考えるチャンスです。
変化する状況の中で今まで通りの商品を扱って利益を掴むか、ライバルのいないブルーオーシャン商品を探すか。
大きな変化の中でただただ何もせずにぼーっと眺めて流され、単純に利益を減らす状況にだけはならないよう、色々な戦略を考えていきましょう。
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