Amazonでは「新規出品」と「相乗り出品」2種類の商品販売方法があり、それぞれ特徴や売れやすさが変わってきます。
相乗り出品はすでに商品ページが作られているので、そこに出品するだけでいいので簡単に出品でき、商品も売れやすいです。
ですが簡単に出品できるということは、当然利益の出る商品はすぐにライバルでいっぱいになります。
同じページに全員が出品する方式なので供給過多になっても差別化が図りにくく、さらに価格競争も起きやすいので一気に相場が値下がりして利益が取りにくくなります。
一方で新規出品は自分のオリジナルで好きなように商品説明などを作り込め、うまくいけば独占状態で商品を販売できます。
一方でページに作成の知識やデザイン、文章のセンスが問われ出来上がったページがイマイチだとなかなか商品が売れません。
手軽でライバルが多い相乗り出品と、手間はかかりますが独占販売しやすい新規出品、どちらがいいのか悩むところですが、最初のうちはやはり簡単な相乗り出品がおすすめです。
新規出品からでもいいのですが、初めのうちはそのほかに覚えること、やることが多く、さらに新規出品ページ作成の知識を覚えるとなるとかなり大変です。
ハードルを上げすぎると、挫折して販売のスタートラインにすら立てなくなる可能性があります。
相乗り出品は本当に簡単なので、まずは相乗り出品でAmazonの売れる商品の傾向や特徴、相場の把握に集中しましょう。
経験を積むと、「この商品は新規出品したら売れるかも」といったことが徐々にわかってきます。
その時に新規出品を始めればよいでしょう。
前置きが長くなりましたがここから本題です。
相乗り出品は初心者向けの販売方法ですが、中国輸入商品の中には仕入れができない、もしくはAmazonで相乗り出品できない商品も多数あります。
今回は筆者やほかの方の過去の失敗や経験を元に、「Amazonで相乗り出品できそうでできない」商品を3つ紹介します。
華々しい成功事例だけではなく、今回のような危険な失敗事例も知っておくことで、いざというとき必ず危機回避に役立つでしょう。
中国輸入で仕入れた一見儲かりそうな商品3つ
まずはリサーチで見つかった商品を3つ紹介します。
1つ目がマツダCX-5用のアルミペダルです。
CX-5はスポーツ性能の高い人気のクロスオーバー車で、外観や内装を変えるカスタムパーツも人気です。
この商品はそんなCX-5に取り付けるアルミペダルで、運転席の足元をかっこよく飾ることができます。
価格も安く、リサーチ段階では売れそうな予感しかしませんでした。
2つ目はプロジェクターを持ち運ぶためのケースです。
これが単なる「プロジェクターケース」だったらなかなか検索に引っかからず、売れにくかったでしょう。
プロジェクターケースは珍しくありませんがあえて商品名に「エプソン対応」と記載することでエプソンユーザーを狙い撃ちにしたアイディア商品です。
「エプソン プロジェクター ケース」で検索する方は多いので、これを見たら結構な確率で買っていくはずです。
3つ目は立体パズルボールという、球体を手でぐるぐる回して中のボールを迷路から脱出させるパズルゲーム、知育玩具です。
子供用のおもちゃは安定して売れる鉄板商品ですし、価格も手頃なのでこれも売れる予感しかしませんでした。
この3つは仕入れ価格も安く、さらに筆者が常に中国輸入で初心者の皆さんにおすすめしている「小さい」「軽い」「壊れにくい」といった条件をある程度満たしています。
しかもジャンルがバラバラなので、どれか1つが売れなくなってもほかの2つで利益が安定して出せるだろうというリスク分散もできます。
Keepaで確認したところ、どれも安定して売れおり利益もしっかり出そうな商品ばかりでした。
3つともAmazonで販売不可
ところがこの絶対売れると確証を持てた3つの商品、よくよく調べてみるとすべて相乗り販売できない商品であることが判明しました。
その理由について1個ずつ解説していきます。
マツダCX-5用のアルミペダル
画像の通りCX-5用のアルミペダルは、MAZDAが公式に使用している「CX-5」のロゴが無断で入っている「商標権侵害商品」です。
もちろんMAZDAからの許可なんて受けているはずがないので、このまま販売すれば販売したセラー、つまり我々が訴えられる可能性があります。
中国は本当にこういうロゴやキャラクターの無断使用が多いので注意してください。
ただ、「CX-5用のアルミペダル」であること自体は問題なく、あくまでもロゴだけが問題なので、販売したい場合はロゴのない商品を中国から仕入れればOKです。
これならロゴもなく、あくまでも「社外品のカスタムパーツ」なので問題ありません。
なお現在もAmazonでは「CX-5」とか、「MAZDA SPEED」のロゴが入ったパーツの商品ページが多数存在します。
MAZDAが公式販売しているもの以外すべて商標権侵害商品ですので、間違っても相乗り出品しないようにしましょう。
エプソン プロジェクターケース
以前は女性ユーザーや若者がメインでしたが、現在はほぼ全世代が利用しているため、基本的になんでも売れます。
ですが、「女性が多い」「若者が多い」という特徴自体は変わっていないので、洋服やコスメ、ベビーグッズなどが良く売れます。
この商品は中国からの輸入は問題なくできますが、画像のAmazon出品ページには相乗り販売できない商品です。
理由ですが、商品画像の右下をよく見てみるとブランドのロゴが付いているのがわかるでしょうか。
おそらくこの会社が中国からケースを輸入した後、自社ブランドのロゴを縫い付けて写真撮りして新規作成した商品ページだと思います。
問題はこのロゴと社名が「商標登録」されていることです。
j-platpat:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100
商標登録されているかどうかを確認できるサイトで調べてみたところ、しっかりと商標登録されていました。
Amazonでは商標登録された商品のページに相乗り出品することはできません。
もしそれをやってしまうとこのロゴを使っている会社から、Amazon側に権利侵害品申し立てが行われ、こちらの出品を取り下げられてしまいます。
取り下げられるだけならまだしも、最悪規約違反でアカウント停止になる可能性もあります。
画像にブランドやメーカーの表記やタグが付けられていたら、念のため商標権を確認しておきましょう。
なおこちらも商品自体に問題はなく、あくまでも「このメーカーの出品ページに相乗りできない」だけです。
同じものを仕入れ、自分で新規のページを作って販売する分には何の問題もありません。
売れる商品が見つかったらライバルの相乗りを避けるため、同じように自社のロゴを作って商標登録してもいいかもしれません。
立体パズルボール
パープレクサス:http://ohssupply.jp/items/perplexus
立体パズル、実は「コピー品」だったことが発覚しました。
「立体パズル」でリサーチすると似たような商品が多数ヒットするため、一見すると問題ないように見えました。
ですがよくよく調べてみると、「パープレクサス」というメーカーが、この立体パズルを正式に販売しているようです。
パープレクサスは2010年ごろから世界中でこの立体パズルを販売しているため、おそらくこのメーカーが立体パズルの正式な販売元とみていいでしょう。
さらによく見たらAmazonで販売している立体パズルの商品ページは、パープレクサスのHPの画像を使用していますね。
もちろん許可なんて取っていないでしょう。
つまり商品もコピーで、画像も無断使用した違法商品である可能性が非常に高いといえます。
実際パープレクサス社のHPには「模倣品にご注意ください」との記載があり、メーカーも対策に目を光らせているでしょうし、相乗り出品するのは危険すぎる商品です。
こうしたコピー品に相乗りしてしまうと、正式販売しているメーカーから訴えられる可能性があります。
相乗り出品はもちろん、輸入もやめておいた方が賢明です。
税関で止められて大赤字になったり、仮に輸入できても訴えられてとんでもない額の損害賠償を支払う羽目になるかも知れません。
中国から商品を輸入する際は必ず輸入する前に商標権を確認したり、有名な商品がないかどうかを確認しましょう。
このようなリスキーな商品に手を出さなくても利益の出る商品は他にも無数にあります。
販売に問題が無くてもリスキーな商品もある
この商品、メーカーロゴもなく著作権や商標権に抵触するような商品ではなさそうですし、一見危険な商品には見えません。
ですが実はこの商品、「販売はできるがリスキーな商品」に該当します。
というのも、アパレル関連の商品は染料や薬品を使って作られているため、事業者はきちんと有害な物質が含まれていないかどうかをチェックする義務があります。
おもちゃなどは食品衛生法の検査が必要ですし、アパレルにも日本国内で販売するにあたって遵守すべき各種法令があります。
また洗濯表示や繊維の組成表示(素材など)の表示義務がありますが、中国から輸入した標品には付いてなかったり、いい加減な表示がされているものもあります。
危険や薬品が使われていたら販売停止になる可能性がありますし、健康被害が出たら賠償責任も負います。
過去、チャイルドシートが義務化されたときにチャイルドシートが爆発的に売れたため、多くの事業者がこぞって中国製の安いチャイルドシートを輸入しました。
ですが、実はそのチャイルドシートは日本国内の安全基準を満たしておらず、死亡事故にもつながる危険な製品でした。
結果、安全基準を満たさない商品はすべて販売不可になるというセラーにとって悪夢のような結末になりました。(安全を確認せずに商品を仕入れたセラーに同情はできませんが)
もちろんこうした問題が起これば、すべて輸入して販売した方の責任です。
商品が販売できなくなっても、事故が起きて訴えられてもすべて事業者の責任です。
たった1回の仕入れの失敗がビジネスを破綻させることも珍しくありません。
中国輸入ですべてを疑っていたら何も輸入できませんが、少なくとも絶対避けなければいけない商品だけはきちんと調べて排除しましょう。
中国製品を輸入するときは必ず強力な「フィルター」を通すこと
中国では無数に様々な商品が売られており、今も続々と新しい商品が製造されています。
中には輸入すれば莫大な利益をもたらすものも多数あり、まさに宝の山です。
ですがその宝の山の中には日本に輸入できないもの、Amazonで販売できないもの、販売できるがリスキーな物など様々な「地雷」も埋まっています。
輸入の際は商標権・特許・安全基準など、商品を販売するために確認すべき項目が山のようにあります。
調べるのは非常に大変ですが、だからと言って決して怠ってはいけません。
筆者の周りでもこの確認を怠ったがためにビジネスを破綻させてしまった人が何人もいます。
とはいえ、個人一人で輸入に関する法律や注意点全てをカバーするのは無理があるでしょう。
地道に勉強しているうちにビジネスチャンスが遠のいてしまうかもしれません。
そこで中国輸入の際は「専門家」の力を借りましょう。
どんな分野にも「専門家」がいて、中国輸入では輸入代行業者という専門家がいます。
輸入代行業者は毎日多くの製品を扱い、輸入や各種法令に精通しているのはもちろん、経験からくる知識も豊富です。
特に日本国内に拠点を持ち、実績や経験豊富な業者は日中双方の法律に精通し、中国現地の状況にも詳しいため中国輸入セラーにとって非常に頼りになる存在です。
法律に抵触するものや税関に通らない物は事前にアドバイスをもらうことができますし、過去輸入販売に失敗した商品についても教えてもらえるかもしれません。
経験の少ない初心者セラーにとって、信用できる輸入代行業者は知識や経験のサポートはもちろん、危険な商品をチェックしてくれる「フィルター」にもなります。
これから中国輸入を始めるセラーにとって、最初の業者選びは最重要ポイントです。
単純に価格だけで選ぶのではなく、できる限り経験豊富で実績のあるセラーを選びましょう。
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