国内の転売と違い、中国輸入は非常に利益率の高い事業です。
粗利で言えば50%超えはもちろん、中には80~90%を超える粗利の商品もあります。
数字だけを見ると魅力的ですが、これはあくまでも販売金額から仕入れ金額を引いただけの「粗利」です。
国内転売でも送料屋販売手数料がかかるように、中国輸入ビジネスで売る商品にも仕入れ原価以外に様々な経費がかかってきます。
特に国をまたぐ中国輸入ビジネスは、あらゆる箇所で様々な経費がかかってくるため、どこでいくら経費がかかるのか非常にわかりにくいです。
今回はそんな中国輸入ビジネスにかかる12種類の経費を詳しく解説していきます。
1回読んだだけでは理解が難しいかもしれませんが、ざっくり全体を把握しておくだけでもOKです。
今後ビジネス展開や経費削減をしたいときの参考になるはずです。
中国国内でかかる経費
・仕入れ代金(商品代金)
・中国 国内送料
日本国内でかかる経費
・自宅・事務所への送料とFBA倉庫へ送る送料
・FBA手数料(保管手数料・出荷手数料・販売手数料)
その他経費
・Amazon大口出品手数料
・広告費
・有料ツール使用料
中国輸入ビジネスには主に以上の12種類の経費・手数料がかかります。
これから一つずつ解説していきます。
【中国国内でかかる経費】
仕入れ先の中国国内でかかる経費です。
仕入れ代金(商品代金)
最初にかかるのが商品代金、仕入れ代です。
仕入れの際は安い商品、利益の取れそうな商品を選ぶのが大前提ですが、そのほかにも注意すべき点がいくつかあります。
例えば「軽い」「小さい」「壊れにくい」商品を選ぶことで輸送時のロスや送料を抑えることができます。
また、素材によって日本国内に輸入するときの関税が変わります。
関税は製品ごとにかなり細かく分かれているので、ここで全部を説明することはできませんが、例えば革製品などは比較的高い関税がかかります。
経費を抑えるためには、仕入れ時に商品のサイズや素材などにも着目してみましょう。
中国 国内送料
中国国内のショップ(仕入れ先)から輸入代行業者の中国国内倉庫までの送料です。
日本国内同様、仕入れ先から輸入代行業者の倉庫までの距離が遠くなればなるほど、またサイズが大きくなればなるほど送料は高くなります。
日本で言えば東京に倉庫がある場合、沖縄のお店より神奈川のお店から買った方が多くの場合送料が安くなりますよね。
ですが中には送料無料だったり、買った金額によっては無料になることもあります。
中国も同様で、お店の場所やかかる送料は様々ですが中には多く注文すれば送料が無料になる所もありますので、事前に必ず確認しておきましょう。
広い中国の話ですので、日本の沖縄から北海道といった規模の話ではありません。
ここをきちんと確認しておかないと利益が吹き飛ぶくらいの送料がかかってしまう可能性があります。
送料は利用している代行輸入業者の倉庫の場所を確認して、そこからできる限り近いショップで注文すると安く抑えることができます。
【輸入でかかる経費】
中国国内から日本国内へ輸入する際にかかる経費です
国際送料
中国から日本へ輸入する際にかかる送料です。
この国際送料はやや特殊な計算が用いられ、「商品の大きさを重さに換算した場合」と「実際の重量」、どちらか重いほうで送料を計算する方式をとっています。
つまり軽くても巨大なものは送料が高くなりますし、逆に小さくても重いものは送料が高くなります。
この経費を抑えるためにはできる限り商品はまとめて発注して、できるだけ重くなるようにするのがポイントです。
というのも、多くの輸入代行業者は取り扱う総重量が重くなればなるほど送料を安くするという方式をとっている業者が多いからです。
どうやってもこの国際送料はかかってしまいますので、その中でもできる限り安く抑える方法や業者を選択していきましょう。
関税
国から国へ商品を輸入する際は数%~数十%の「関税」がかかります。
どの商品にどれだけの関税がかかるかというのは初心者や素人が事前に確認するのは非常に難しいので、ざっくり10%前後で見積もっておきましょう。
もちろん事前に何となくでもいいので調べておき、特に高い関税がかかるものがないかどうかは確認しておきましょう。
なお、商品によっては関税のかからない物もあります。
輸入消費税
海外から輸入したものには国内の商品同様、消費税がかかります。
2020年現在日本の消費税は10%ですが、輸入消費税は別の計算で徴収されることになります。
これも計算が非常に複雑なので概ね10%程度で想定しておきましょう。
中国輸入ビジネスではあまり関係ありませんが、お酒やたばこは別途消費税が課税されます。
為替交換手数料(両替手数料)
商品の仕入れ代は私たちが輸入代行業者に「日本円」で支払いますが、中国現地で商品を買うためには中国の通貨である「人民元」が必要です。
中国輸入業者は私たちから支払われた「日本円」を「人民元」に換金して中国のショップから買い付けを行っています。
この「日本円」から「人民元」に換金する際に日本国内同様に両替手数料、つまり為替交換手数料がかかります。
これに関しては輸入業者によって変わりますが、日本円と人民元の為替レート+1円とか+2円といった形をとる業者が多いです。
例:レートが1元15円の場合、決済には1元16円かかるなど
絶対かかる手数料ですが、業者によっては安く設定しているところもありますので、安い業者を探してみましょう。
ただしそこまで負担の大きい経費ではないので、手数料が安くていい加減な業者より、適正手数料できっちりとしたサービスを提供する業者のほうがおすすめです。
輸入代行業者手数料
中国から日本へ商品を配送手配してくれる輸入代行業者に支払う手数料で、多くの業者が商品代金の〇%という形をとっています。
この手数料も業者によって異なり、他の手数料がかかる代わりに無料の所もあれば、月額定額制の所もあります。
また、扱う量によっても料金体系が異なるケースもあります。
安くてもただ輸入するだけの業者もあれば、高くても検品や梱包やアフターサービスを手厚く行ってくれる業者もあります。
選び方が難しい項目ですが、初心者はやはり価格よりもサービス内容で選ぶ方がおすすめです。
単純な手数料の安さで選ぶのではなく、トータルを見て自分に一番合った業者を選択しましょう。
【日本国内でかかる経費】
無事商品が国内に入ってきた後にかかる手数料です。
自宅・事務所への送料とFBA倉庫へ送る送料
輸入代行業者の日本倉庫から自宅に送ってもらう際の送料と、自宅に着荷した荷物をAmazonFBA倉庫に送る際の送料です。
こちらも距離と大きさで送料は大きく異なりますが、大量に輸入することが多い中国輸入では結構な負担になるので、できる限り削減しましょう。
例えば輸入業者によっては業者の倉庫からFBA倉庫に直納してくれる業者もあり、この場合自宅を経由してFBAに送る必要がないため、手間と経費を大きく削減できます。
このあたりも業者選びの基準にするといいでしょう。
FBA手数料(保管手数料・出荷手数料・販売手数料)
FBAに送った後にかかる保管手数料と、商品が売れたときにかかる販売手数料、そして梱包・出荷してもらうための出荷手数料です。
これらの手数料はAmazonのページで確認できるので、自分の扱う商品、送る料金について調べておきましょう。
https://services.amazon.co.jp/services/fulfillment-by-amazon/fee.html
【その他経費】
輸入に直接関係しないものの、販売するうえでかかってくる経費です。
Amazon大口出品手数料
Amazonのセラー登録には2種類あり、それぞれ「月額料金」か「成約手数料」がかかります。
1. 月額4,900円かかるが何個売っても成約手数料が0円の「大口出品」
2. 月額料金無しだが販売1個につき100円の成約手数料がかかる「小口出品」
これも経費として掛かってくるので忘れないようにしましょう。
この2つを簡単に説明すると、月に49個以上商品を売る場合は大口出品のほうが得、ということです。
大量に商品を販売する中国輸入ビジネスにおいて、ほとんどの人が大口登録すると思いますが、まずは少量で練習する場合はとりあえず小口でもいいでしょう。
いつでも切り替えができます。
広告費
相乗り販売しているセラーはいったん関係のない話ですが、OEMやオリジナル商品を販売しているセラーは広告費を払って自分の販売している商品の広告を打つ必要があります。
Amazon内でよく見かける「スポンサープロダクト」や、Facebook・Google・Twitterなど様々なサイトに広告を打って宣伝することです。
媒体や打ち方によって費用は異なりますが、いずれにしても費用がかかります。
有料ツール使用料
現在、中国輸入ビジネスを有利に進めるための有料ツールが多数販売されています。
これらを使う場合はこの経費も計算に入れておきましょう。
無料のツールもありますが、有料ツールに比べると機能が制限されていたり、役立つとは言い難いものが多いです。
無料の優秀ツール「モノレート」が使えなくなった今、リサーチツールを使用するなら有料ツールが良いでしょう。
ただ、有料ツールはあくまでも仕入れや販売の補助を行うものであって、ツール自体は自動でお金を生み出してくれるものではありません。
初心者が高機能の高額有料ツールに登録しても経費の無駄になることが多いです。
最初は自分でリサーチも仕入れも販売も行い、規模が大きくなってきて効率化を進めたくなったら登録しましょう。
もちろんツールの利用料金を翌月にはペイできる自信や確証があるなら、最初から使っても構いません。
細かい利益計算にこだわらない
今回の内容をざっくりまとめると以下の計算式になります。
【販売価格-今回紹介した12の経費=利益(手元に残るお金)】
中国輸入ビジネスはうまくリサーチできれば粗利が50%を超えるジャンルです。
ただし距離や規模が大きく、国の行き来をする中国輸入ビジネスは経費もそれなりにかかります。
今回紹介した各種経費もしっかりと頭に入れておかなければ、50%を超える粗利も経費で相殺されてしまう可能性があります。
ただし、経費計算が重要とはいっても毎回そればかりに気を取られてしまうとほかにやるべきことができなくなり、結局はビジネスを停滞させてしまいます。
最初のうちは少量から練習していき、赤字にならないようにだけ気を付けて利益は「ざっくり」とした計算でOKです。
月に1回きっちり計算してその時に細かい分析を行いましょう。
慣れてくれば税関や為替手数料も「何となく」把握できるようになります。
全く理解しないのはNGですが、慎重すぎるのもビジネスにおいてはマイナスです。
中国輸入とはいえ少量ならリスクは決して高くありませんので、まずはとにかく行動して一連の費用を肌で実感しましょう。
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