今回は中国輸入ビジネスにおいて、ほとんどの人がお世話になる物流サービス「中国輸入代行業者」と、輸入代行業者と似て非なる業者、「輸入転送業者」について解説します。
輸入代行業者と言えばこのコラムでもおなじみですが、一方で物流サービスには「輸入転送業者」もあります。
実はこの2つ、名前や利用するユーザー層は似ていますが、サービス内容は大きく異なるため、基本的には「別物」と考えてください。
今回はこの2つの業者の違いと、中国輸入ビジネスではどちらを利用するべきかについて詳しく解説したいと思います。
この記事の目次
輸入代行業者と輸入転送業者の違いについて
輸入代行業者」とは注文、支払い、通関、国内配送等輸入に関する一連の手続きをオールインワンで提供する物流サービスの事です。
本当にざっくりと解説すると、「輸入に関わる全ての業務を一括して引き受けてくれる業者」で、ユーザーは欲しい商品を代行業者に注文して料金を支払うだけで商品が手に入ります。
一方で「輸入転送業者」は、ユーザーの代わりに海外現地で荷物を受け取り、日本へ発送するサービスを提供する物流サービス業者のことです。
「何が違うの?」と思う方もいるかもしれませんが、一言で言えば「サービス範囲の違い」です。
輸入代行業者のサービス範囲(一例)
・ユーザーの代わりに海外商品の注文受注
・ユーザーの代わりに現地通貨で決済
・商品の受け取り
・輸入配送手続き
・ユーザーの元へ国内配送
・その他サービス
輸入転送業者
・商品の受け取り
・輸入配送手続き
・ユーザーの元へ国内配送
輸入代行業者は輸入に関するほぼすべての業務を引き受けてくれますが、輸入転送業者は輸入代行業者のサービスの一部、「受け取りと転送」のみ代行します。
例えば輸入代行は日本にいて欲しい商品を選び、手数料やレートに応じた商品代金を日本円で代行業者に支払えば、あとは届くのを待つだけでOKです。
一方で輸入転送業者は受け取りと配送しかやってくれないので、現地のショップへの注文や決済は自分で行う必要があります。
つまり海外のショップに対し、現地の言語で注文し、現地の通貨で決済しなくてはいけないのです。
ただし、勘違いしないで欲しいのはこの2つはあくまでも「サービス・作業範囲」が違うだけで、決して輸入転送業者が不親切なわけではありません。
この2つの業者は、欲しい商品が売っている国や状況に合わせて使い分けます。
例えば中国のような若干システムがややこしい国から商品を仕入れる場合は、全部代行してくれる輸入代行業者を利用したほうがスムーズです。
というのも、中国という国は海外から注文するのはややハードルが高い国だからです。
中国で買い物をする場合、多くの店で「支付宝(アリペイ)」というキャッシュレス決済が必要です。
アリペイは日本人でも利用できますが、それでもハードルの高い、面倒な支払い方法である事には変わりありません。
輸入代行業者に依頼すれば注文も日本語、決済も日本円で可能ですし、面倒だとか余計な作業がほとんどありません。
一方でアメリカとかであれば、日本でも普通に使っているVISAなどのクレジットカードで決済ができるため、ハードルは注文時の言語くらいです。
もちろん輸入代行業者に依頼すればより簡単で便利ですが、輸入コストはその分多くかかってしまいます。
このように日本からでも比較的商品を輸入しやすい国の場合、輸入代行業者を使うメリットは小さくなります。
転送業者は業務範囲が限定されている分、輸入代行業者よりもコストが安いことが多いので、輸入しやすい国の場合は輸入転送業者を使うと安く仕入れることが可能です。
とはいえ、輸入転送業者を利用する機会はそう多くはないと思いますが、上記のような両者の違いだけはきちんと理解しておきましょう。
輸入代行業者によって中国輸入ビジネスが成り立つようになった
輸入ビジネスと言えば、「フォワーダー(乙仲とも言います)」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
このフォワーダーについても少し解説します。
フォワーダーは、これもまた「輸入代行業者」とも「輸入転送業者」とも違います。
フォワーダーが行うのは「輸入手続き」といった、主に「海外から日本」へ商品を運ぶ際のわずかな間の業務です。
フォワーダー業者の多くは自社で配送手段を持っていませんので、国内配送はまた別の会社に依頼する必要があります。(フォワーダー側で契約している運送業者はあります)
※自社で運送手段を持つ業者は「キャリア」と呼びます
しかもフォワーダーは企業間取引がメインで、個人が契約するのはかなり難しいですし、一定以上の取引量が無ければコストが高くなり、お手軽とは言えません。
いずれにしてもフォワーダーや輸入転送業者は、注文から日本到着までの「輸入」全体における中で業務範囲が限られていますし、個人が契約するにはハードルが高めの業者です。
その点、輸入代行業者は利便性が高いうえ、誰でも契約でき少量からでも取引が可能です。
そもそも輸入代行業者はフォワーダーのような大ロット取引を主としている業者とは仕組みが違い、個人のお客様の荷物を少量ずつ、沢山のお客様から扱う業務形態です。
1個1個の取引は小さくても、多くの顧客を抱えることで企業の取引と変わらない物流量を確保できるわけです。
そのため、個人や中小企業でも利用しやすい業務範囲、契約方法、運賃料金になっています。
つまりフォワーダーや輸入転送業者と言った輸入に関わる全ての業種を包括し、さらに個人や中小企業でも手軽に利用しやすくした業種が「輸入代行業者」というわけです。
一言で言えば「オールインワン」です。
輸入代行業者のおかげで、日本にいる多くの輸入事業者が日本に居ながらにして、日本語・日本円で簡単に商品を輸入ができるようになり、ビジネスを成功させています。
近年、副業ブームの波に乗って中国輸入ビジネスを勧める人も、始める人も増えてきましたが、代行業者がいなければここまで中国輸入ビジネスが活気づくことは無かったでしょう。
輸入代行業者のマルチサービスは日に日に進化している
輸入代行業者は、フォワーダーや輸入転送業者よりも多くの作業を代行してくれる、と話しましたが、その「多くの作業」の範囲はどんどん拡大しています。
例えば中国輸入商品をAmazonで販売している多くの方は、Amazon倉庫が配送を代行するサービス、FBA(Fulfillment By Amazon)を利用していますよね。
FBA配送にするためには、海外から受け取った商品をFBA倉庫に送らなくてはいけませんが、代行輸入業者によってはFBAへ直で納品してくれる業者もあります。
つまり「中国⇒空港⇒代行業者倉庫⇒FBA倉庫」といったように、自宅や自分の事務所を経由せずに商品を直送してくれるわけです。
このサービスがある業者を利用すると、時間や物流コストの削減、スペースが不要といった大きなメリットが得られます。
業者にAmazonの管理画面権限を譲渡するといった事前設定が必要にはなりますが、一度設定すればずっと直送してくれるので興味のある方は是非契約してみてください。
他にも業者によって多種多様なサービスがあります。
・アパレル商品の洗濯タグ付け
・オリジナルタグ付け
・検品作業
・OEM製品の作成
・Amazon商品画像加工サービス
・販促活動サポート
・事業サポート・相談
・各種物販ツールの提供
・在庫管理
・セミナー・講座の開催
ざっと上げただけでもこれだけ多くのサービスを展開しています。
扱っているサービスは業者によっても異なるので、自分に合った、自分が希望するサービスで輸入代行業者を選ぶのも一つの基準です。
最後に
海外輸入ビジネスを行う際は、「輸入代行業者」「輸入転送業者」などの業者を利用する機会が多いと思います。
・輸入代行業者は輸入に関するすべての業務を一括して行ってくれる
・輸入転送業者は海外での受け取りとユーザーへの発送のみを行う
それぞれの業者でできること、やってもらえることが異なるので、違いをきちんと把握して輸入したい国や商品に合わせて適切な業者へ依頼しましょう。
基本的には日本にいながら日本語と日本円で手軽に買い付けができ、サービスも手厚い「輸入代行業者」がおすすめです。
もちろん輸入代行業者にも色々な差があるので、色々比較してみて自分に合った業者と契約しましょう。
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