中国輸入×クラウドファンディングについて
中国輸入のセオリー・王道パターンは、
「中国から商品を輸入しAmazonで販売する」です。
Amazonは、みなさんもご存知の通り超大手の販売サイトで、
販売力は日本トップクラス、
それでいて基本的に誰でもセラーとして販売に参入できるプラットフォームです。
中国輸入ビジネスでは、この参入しやすいAmazonからスタートし、
実績と経験を積んで徐々に他のモールや自社ECを展開する…
というのがセオリーです。
現在、Amazon以外の販売場所は、楽天やヤフーショッピングなどのモール、
メルカリやラクマと言ったフリマアプリなどが有名です。
ですが近年、ここにもう一つ「クラウドファンディング」
という大きな選択肢が加わりました。
名前を聞いたことがあるという方も多いと思いますが、
「やったことがある」という方はまだ少数だと思います。
今回、タイミングよく私が某超大手企業とのコラボで
クラウドファンディングに出品する方向で進んでいますので、
以前に出品し高額支援を獲得した経験と超大手企業となぜコラボできたのかをふまえ
「中国輸入とクラウドファンディング」の相性について解説します。
この記事の目次
なぜ中国輸入では販売場所にAmazonを利用するのか
冒頭でもお話ししましたが、
中国輸入ではほとんどの人がまずはAmazonからスタートします。
出店のハードルの低さ、日本屈指の販売力、さらにFBAを利用すれば
中国輸入でネックになる発送や梱包の多さもほとんどAmazon任せ。
むしろこれだけの条件が揃っているのに、
Amazonからスタートしない理由はほとんどありません。
もちろんビジネスが安定して規模が大きくなってくると、
それに見合った販路が必要になるので、他のモールにも出店する必要が出てきます。
上記の理由により、長年中国輸入のセオリーは
「Amazonから始めて徐々に楽天・ヤフーショッピングにも出店」
となっているのです。
そんな長年のセオリーを打ち破る販売場所が、「クラウドファンディング」です。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、
「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」を掛け合わせた造語で、
その名の通り「群衆(不特定多数)から資金を調達する仕組み」です。
主にインターネットを介して自社のプロダクト(製品・商品)をPRし、
そのプロダクトに興味を持った、魅力を感じた方々から
少額ずつ融資(支援)してもらいます。
融資してもらったお金は「何らかの形」でリターンすることがほとんどで、
投資のように利息を付けてお金を返す場合もあれば、
支援した商品を送る場合もあります。
一昔前は、まだ日本で発売されていないブランドやメーカーと
独占契約を結ぶための資金をクラウドファンディングで集める、
という方法が主でした。
ですが近年では自社で開発、
デザインした商品をクラウドファンディングサイトに掲載し、
出資者にリターンとして商品を送るという方式で利用する方も増えてきました。
勘の良い方なら気づいたかもしれませんが、
「融資をしてもらったお金を自社の製品で返す」というのはまさに「販売」です。
このように、クラウドファンディングは現在Amazonや楽天と同じような
「販売場所」としても、いま中国輸入ビジネス界から注目されています。
正確には商品の発送が後日になるので「予約販売」のほうが近いかもしれません。
クラウドファンディングでは「価値の高い商品」が売れる
私も以前に中国で生産したオリジナル商品をクラウドファンディングに出しました。
ただ、クラウドファンディングではAmazonでよく見るような
「既製品に自社のブランド刻印しただけの商品」では資金が集まりません。
実際クラウドファンディングサイトを覗いてみると、
最新技術を用いた画期的な機能を持った商品など、
「他では見たことが無い商品」が人気を集めています。
考えてみれば当然ですよね。
他でよく見かける商品なら、
わざわざ時間も手間もかかるクラウドファンディングに出資しなくても、
Amazonで買えば翌日に手に入ります。
そんな商品をわざわざ支援したいと思ってくれるユーザーはいないでしょう。
クラウドファンディングで売れる商品は、
「独自性」や「希少性」といった、
皆さんがお金を出したいと思うような「価値」のある商品です。
Amazonではよく見る商品にブランド刻印しただけのものでも、
広告を出し、適正価格で販売すればある程度売れますが、
クラウドファンディングでは全く異なる価値が必要となります。
その価値を作るためには、やはり自分で独自商品を作るしかありません。
クラウドファンディングは非常に楽しい
ここまで聞くと「なんだか面倒そうだな…」と思うかもしれません。
確かに商品開発のために自分で機能を考えたり、
デザインを考えたりして中国に生産してもらって…
という作業は資金的にも工数的にも決して簡単ではありません。
「価値を作る」なんて言われても、
ほとんどの人は何をどうしたらいいかもわからないと思います。
ですが、私は実際にやってみて、
一度も「大変」だとか「面倒」だとか思った事はありません。
もちろん始める前は私も「難しそう」「めんどくさそう」と思いました。
ですが、実際やり始めてみると、
「物を作る」という「0を1にする作業」が楽しくてたまらないのです。
商品の事だけをひたすら考え、
デザインや機能で「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤して
少しずつ理想の商品に近づける。
その商品が完成した時の達成感や、
完成した商品を世に出すときのワクワク感と、
ほんの少しだけ脳裏をよぎる不安。
すでに売られている商品を輸入して売るのも楽しいですが、
こうしたオリジナル商品を「生み出す楽しさ」は
「大変だけどそれ以上に楽しい」という複雑な喜びがあります。
初めて中国OEM製品を作ってAmazonに出品した時も同じ感覚でしたが、
それよりももっと大きな感情が生まれます。
中国輸入×クラウドファンディングってどうなの?
ここで気になるのが、中国輸入とクラウドファンディングの相性です。
どんなにいい販売場所でも、中国輸入との相性が悪ければ使えません。
例えば「中国輸入×フリマアプリ」は基本的に相性が良くありません。
フリマアプリは商品を1個ずつ個別に出品しなくてはいけませんし、
発送や梱包も全部自分で行わなくてはいけません。
薄利多売のスタイルが多い中国輸入でフリマアプリを利用すると、
作業量が膨大になりかなり効率が悪いです。
もちろんやりかた次第ですが、一般的に考えて決して相性が良いとは言えません。
ではクラウドファンディングはどうでしょうか。
「中国製品を仕入れて売る」場合、相性はそれほど良くありません。
先ほども言ったように、
「既にある、ありふれたものを出しても興味を持ってもらいにくい」
からです。
一方で、もう一歩進んで、「中国で作った製品を売る」場合であれば
「相性抜群」と言えます。
中国のOEMは自分で価値を創造できる
クラウドファンディングで求められているものは
価格ではなく「独自性」や「希少性」といった「商品そのものの価値」です。
・「Amazonでは買えない」
・「日本では手に入らない」
・「他では見かけない」
クラウドファンディングに集まる方々はこうした価値のある商品を求めています。
同じものを扱うライバルが多く、
類似品も多い中国製品の輸入だけではその価値を提供することは難しいです。
ですが、OEM(自社生産)であれば既製品にはない
「自分の商品だけの価値」が生み出せ、
ユーザーが求める「魅力的な価値」を提供することができます。
何も一から完全なオリジナルにする必要はありません。
既製品にあった不満点を改良し、
その他満足できそうな付加価値、付加機能をつけるだけでも
それは「既製品に無い、価値のある商品」となります。
クラウドファンディングもAmazon販売も本質は一緒
ここまでクラウドファンディングについて説明してきましたが、
実は「OEM」まで到達しているセラーにとっては
クラウドファンディングもAmazonもやっていることは一緒です。
おそらくもうすでに、自社ブランドを刻印した製品を作っていたり、
オリジナル商品をAmazonで販売している方も多いと思います。
クラウドファンディングで刺さる商品ではないかもしれませんが、
これも立派な「製品を生み出す、または改良して価値のある物を作って販売する」
に変わりはありません。
そういう意味ではクラウドファンディングは「Amazon中級者~上級者編」とか、
「Amazon販売の次のステップ」という位置づけに近いかもしれません。
クラウドファンディングでは情報集め方に注意
自社で改良や開発ができる段階にあれば、
Amazonもクラウドファンディングも本質的な部分は一緒、と解説しましたが、
1点大きな違いがあります。
それは「情報・ニーズの集め方」です。
Amazon販売であれば基本的に価値情報はAmazonレビューで確認できますので、
全ての情報収集がAmazon内で完結します。
一方でクラウドファンディングのユーザーに刺さる「価値」は、
もっと大きな視点、広い視点で情報を集める必要があります。
Amazonはもちろん、SNSやブログ、店舗や実体験など、
様々な場所から情報を集めて最大公約数で価値を探し出し、
商品に反映させなくてはいけません。
そのため情報収集は大変ですが、
そうはいってもあくまでも「範囲」だけの話ですので、
やること、やるべきことは中国輸入×Amazonと変わりません。
要は「お客様のニーズを満たす」という目的自体はどっちも一緒で、
決して変わらないのです。
中国輸入×Amazonである程度軌道に乗っている方であれば、
クラウドファンディングでの出品もさほどハードルの高い作業ではありません。
中国輸入×クラウドファンディング利用の注意点
最後に中国輸入×クラウドファンディングで注意すべき点をまとめました。
クラウドファンディングには審査がある
これまで「Amazonとクラウドファンディングでやることはそう大きく違わない」
という話をしましたが、プラットフォーム側では色々と大きな違いがあります。
その中の一つが「審査」で、
クラウドファンディングでは商品が審査に通らないと掲載できません。
もし商品が審査に落ちてしまったら、
再度作り込みを行って再審査してもらうようにしましょう。
私も一度審査で弾かれたことがありましたが、
商品を見なおして改良し、審査に通る事ができました。
その商品は2時間で目標金額を達成し、
さらに数時間後には目標金額を大きく超えて支援が集まりました。
この結果を見て、今までやってきた準備や仕掛け、ページの作り込み、
さらには改良といった努力が報われた…と実感できたのです。
もちろん1発で審査に通り、
多くの人に興味を持ってもらえるような商品を作るのが理想です。
ですが、審査に落ちても、1回目で目標金額に達しなくても、
諦めずにコツコツと進めていくことが重要です。
商品に責任を持ち、魅力的なオリジナル商品を生み出す
中国輸入ビジネスにおいては、「自分の販売する商品に責任を持つ」事が重要になります。
中国の市場やサイトでは無数の商品が販売されていますが、
中には著作権や商標権を侵害した違法な商品や、
法律上グレーなパクリ品などもあります。
また、中国のOEMができるようになると、
自分の手で様々なオリジナルデザイン、
オリジナル商品を生み出すことができるようになります。
輸入するにしても生み出すにしても、
しっかりと実在のブランド・メーカーのデザインや意匠、
キャラクターを侵害していないかどうかを確認してください。
しっかり調べて、そのうえで魅力的な商品を扱えば、
Amazonで売るにしてもクラウドファンディングで支援を募るにしても必ず結果が出ます。
特にクラウドファンディングで支援を行うユーザーは、
そういった商品に対する厳しい目を持っている方が多いです。
「どこかで見たことがあるような商品」では支援を集めることは難しいでしょう。
・「売れれば何でもいい」
・「法に触れなきゃOK」
・「バレなきゃOK」
こんな考えではビジネスはうまくいきませんし、
一時うまくいっても長続きせず、必ずどこかでしっぺ返しを食らうはずです。
自分が販売する商品には必ず「愛情と責任」を持つ、
それがビジネスを長続きさせるコツです。
最後に
今回クラウドファンディングを知ってどう思ったでしょうか。
「楽しそう」と思った方もいれば、「めんどくさそう」と思った方もいるかもしれません。
ただ、私は実際にクラウドファンディングに挑戦してみて、
「楽しかった」と思いましたし、「やってよかった」と思いました。
ユーザーに刺さる商品作り、売るための仕掛け、広告方法など、
基本的な販売戦略はAmazon販売と大きく変わりません。
商品によってはAmazonよりも売れる可能性がありますし、
なにより「商品を認めてもらえた」感が段違いです。
AmazonでOEMに着手している方、またはこれから着手しようとしてる方は、
いずれクラウドファンディングにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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