副業を後ろめたく感じるのは大間違い!会社側にも好影響を与える物だった!
副業元年と言われて早数年、大企業中心に進んでいた副業解禁の波は少しずつ中小企業にも波及しています。
さて、一口に副業と言ってもその種類は多岐に渡ります。
・中国輸入ビジネス
・欧米輸入
・株式投資
・不動産投資
・FX
・クラウドソーシング
・軽作業アルバイト
筆者が今ざっと思いついただけでもこれだけの種類があります。
しっかり書き出したり、細かく分類すればさらに何十個も出てくるでしょう。
副業が解禁された企業に勤める方の中には、これら副業に興味を持っている、あるいはすでに始めている方もいるかもしれません。
自身の生活と家族を守るため、収入を増やして豊かな生活を送るため、スキルアップのためなど、その理由も様々なはずです。
ところがこの副業解禁の動き、社員側からすれば大歓迎ですが、会社側からすると必ずしも大歓迎とはいかないようです。
・副業のせいで本業の仕事や成績に悪い影響が出る
・本業のノウハウを持ち出して副業に利用する
・せっかく長い時間と多額の費用をかけて育てた社員が独立してしまう
・周りの社員を引き抜いて独立したりと他にも悪影響が出る
副業する社員が増えると上記のリスクが高くなってしまう、そう考えている企業も少なくありません。
例えば、「副業のせいで本業の仕事や成績に悪い影響が出る」の場合、副業を始めた方の中には本業の就業時間にスマホや会社のパソコンで副業をしてしまう方もいます。
副業は、当然ながら本業の就業時間中にやるものではなく、もし本業中に副業をしていれば上司からは怒られ、同僚や後輩からは白い目で見られるはずです。
にもかかわらず、こっそりとやってしまう方も中にはいます。
「せっかく長い時間と多額の費用をかけて育てた社員が独立してしまう」についてもちょっと考えてみましょう。
日本企業の特徴として、「新卒の新人を費用と時間をかけて一から育て、将来コストを回収する方式」を取っています。
新卒で取り、時間とお金をかけて育てた社員がようやく一人前になり、これから会社に貢献してくれる…そう思った矢先に軌道に乗った副業で独立されてしまう。
もしこうなれば会社は費用の掛け損です。
こうしたリスクの可能性を考えると、会社側・管理者側としては心配が先に立ち、社員に「どうぞ副業を自由にやって下さい」といったスタンスは取りにくいでしょう。
そのため、多くの企業ではこれまで就業規則で副業を禁止していたのではないかと思います。
こうした観点で考えると、副業禁止規則は自社の業務を守るための会社側のごく当たり前の防衛策と言えます。
特に資本力の無い中小企業では、副業解禁のリスクに対してより慎重な姿勢になり、人材採用が難しくなり、採用の基準や制約がきつくなるかもしれません。
そうなると働く側は肩身が狭く、会社にとってもメリットが無くなります。
「結局副業って誰の為にもなっていないんじゃないの?」なんて疑問も出てきます。
そう考えるとこれから副業を始めようと思っている方はますます肩身が狭くなりますね。
では本当に副業は「働く側が安い給料を補うため、自由になるお金を稼ぐためにわがままを言いだしたから、仕方なく会社側が折れて解禁したもの」なのでしょうか。
副業は会社や同僚に対して後ろめたいものではない?
今の日本企業の多くの職場では「副業=後ろめたい」という空気が漂っています。
少なくとも「副業やってます!」と声を大にしてアピールできる方は、ごく少数なのではないでしょうか。
副業に取り組んでいる方の多くは、どちらかと言えば副業が可能な会社にもかかわらず上司や同僚の目を避け、こっそり取り組んでいるのではないかと思います。
その理由は先述したように、「副業=本業に影響が出る」と考えている方が、上司や同僚含め会社に多いからでしょう。
副業解禁の動きが起こってからしばらく経ちましたが、本業の職場で副業について堂々と語れる雰囲気が形成される日はまだまだ先のようです。
ただ、筆者は個人的にこの「副業=後ろめたいからコソコソやる」は、本人にとっても、また会社側にとっても決して良いことではないと思っています。
理由は後述しますが、実は副業を頑張ると本人の本業にも会社にも良い影響を与えます。
本人にも会社にもメリットがある、非常に素晴らしいものにもかかわらず、とかく多くの日本人は「副業・金儲け=悪いこと」といったイメージを持ってしまっています。
さらにそのイメージが日本人特有の集団同調圧力と相まって、副業やビジネスに取り組む素晴らしいチャレンジと才能を良しとしない雰囲気や環境を形成してしまっているのです。
副業は本業にもいい影響を与える素晴らしいものだった
ビジネスは積極的に取り組んでこそ成果が出ます。
また、ビジネスを育てる過程や結果、成果を誰かと共有したり意見交換といったコミュニケーションを行うことで、より大きな成果や新しいビジネスを生み出せます。
しかも、先述したように副業は会社にもリスクやデメリットどころか、非常に良い影響をもたらします。
以下の記事を読んでみてください。
https://dime.jp/genre/1441706/
この記事は、副業人材マッチングサービス「lotsful (ロッツフル)」が副業経験者へ行ったアンケート結果です。
内容の一部を抜粋すると、副業を始めた社員はアンケートに以下のように回答しています。
・チャレンジへの恐怖心がなくなった
・自分自身の強みや弱みを理解できた
・副業で得た知識・人脈を本業に生かすことができた
・本業への新しいアイディアを得られた
・所属する企業への好意が高まった
「副業を経験したことで、自分自身の仕事の進め方にどのような気づきや影響がありましたか?」という質問に対しては、「チャレンジすることへの恐怖心が小さくなった」が24.3%と最多でした。
自分の力でビジネスを始めるということは、「雇われ」だった社員・従業員が、初めて自分の判断とリスクでビジネスを起こす「経営者側」を経験します。
筆者が副業を始めた際は、中国から3万円分の商品を仕入れただけでも心臓がバクバク鳴り、心配とストレスで夜もあまり眠れなくなりました。
ですが、それも数をこなしていくうちにお金の取り扱いも大胆になっていき、やがて10万、100万と発注しても、良い意味で冷静に扱えるようになったのです。
また、一度ビジネスという新しい行動を起こした後は、新しい取り組みへのハードルも下がり、色々なことに積極的に参加していけるようになりました。
おそらくアンケートの「チャレンジすることへの恐怖心が小さくなった」はこのことを挿しているのでしょう。
副業で経営者側を経験すると、会社でお金を扱う時の気持ちにも変化が現れます。
お金の重要さを知っているからこそ、会社のお金もより慎重に扱えるようになります。
そして慎重とはいえ、お金の扱いそのものは熟知しているため、チャンスは逃さず正しく運用できるようになります。
こうして社員に副業を経験させると、会社は自社の資金を使わずして社員に経営側の気持ちやお金の重要さ、お金を扱うメンタルや技術を学ばせることができるわけです。
すると、通常では最低でも管理職を経験させないと育たない「経営者側の気持ちがわかる社員」というスキルの高い社員を短期間に生み出せます。
このように、副業を始めると本人のスキルが上がり、会社は高いスキルを持った社員を短期間に、低コストで生み出せるため本業にもいい影響を与えます。
さらに注目すべきは「副業を経験したことで、所属企業への考え方についてどのような影響がありましたか?」の質問です。
・「所属する企業への好意が高まった」…34.8%
・「所属する企業でより長くはたらきたいと気持ちが強まった」…20.6%
副業を行った社員は、本業に悪い影響を与えたり独立志向が高まったどころか、過半数以上の人が逆にエンゲージメント(愛社精神)が高まったそうです。
経営者側の心配とは真逆の結果になっています。
このアンケート結果から考えるに、管理者や経営者側が心配している「副業を解禁することで独立されたり本業に悪影響が出る」は、取りこし苦労なのかもしれません。
もちろん中には独立したり、本業に悪影響を出してしまう社員もいるかもしれません。
ですが、それ以上に多くの社員のスキルが高まり、愛社精神が高まる可能性があるなら、デメリットよりもメリットの方が大きいですね。
このように、副業は決して悪でも会社への背信行為でもありません。
これから副業を始める方は、コソコソやるのではなく「むしろ会社に長く貢献するために
副業をやっているんだ」くらいの気持ちで、堂々と胸を張ってアピールしてほしいと思います。
また、経営者側は副業をやっている社員を「独立するかも」「本業の成績が下がるかも」といった疑いの目で見るのではなく、「副業の知識を会社に生かし、より愛社精神を高めるために努力している存在」だという認識を持ってください。
社員の副業を応援・後押しすることで、結果的に会社に対しより多く、長く貢献してくれる社員が育つはずです。
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