売れない商品に未練を残してはいけない!損切りのタイミングについて
中国輸入する商品をリサーチしているとき、皆さんは何を想像しながら画面を見ていますか?
・「たくさん売れるといいな」
・「利益がたくさん出るといいな」
おそらくこんなポジティブな未来を想像して商品をリサーチしていますよね。
中国輸入販売で扱う商品は、基本的に長期にわたってページを育て、販売していくことになります。
そのため「どうせ売れるわけがない」「いつかは売れなくなる」なんてネガティブな気持ちで商品を仕入れる人はいないと思います。
ですが、どんな商品も季節や消費者ニーズの変化、AmazonSEOの仕様変更といった理由によりいつかは売れなくなり、必ず「旬の終わり」が来ます。
またリサーチ時点では売れると踏んで仕入れたものの、実際に販売してみるとライバルの増加や市場の変化といった不確定な要素で思ったよりも売れない商品も必ずあります。
そんな時に判断しなくてはいけないのが「損切り」、つまり在庫の処分です。
苦労して仕入れた商品を安値で処分するなんて決してしたくはありませんが、それ以上に売れない商品を抱えて破綻、という事態は避けなくてはいけません。
在庫は売れなければただの「モノ」で、しかも倉庫や事務所のスペースを圧迫するタチの悪いモノです。
商品は売れてお金に代わってこそ価値があるのです。
その商品が売れなくなった時、例え仕入れ値を下回って赤字になるとしても、とにかく売って現金に換えないと次の仕入れができませんし、事業を継続していくこともできません。
商品が売れなくなったら引き際を見極め、撤退のタイミング誤ることなく、被害を最小限に抑える「損切り」を行いましょう。
初心者や中級者がビジネスで致命的なダメージを負ってしまう原因
損切りと言っても、ちょっと売り上げが落ちたくらいで慌ててすぐに損切りして撤退してはいけません。
株の世界でも「損切り貧乏」という言葉があり、撤退の判断が早すぎると小さな損失が積み重なって大きな負債となってしまいます。
売り上げが落ちてきたと思ったら、まずは「対策」です。
・広告を出す
・画像を変えてみる
・SEO対策をする
・価格を見直してみる
これらをすべて試してみて、それでも売り上げの下落に歯止めがかからない、これ以上の売上の上昇が見込めない場合に損切りを考えましょう。
損きりは勘や感覚ではなく、あくまでも一定の「データ」「ルール」に基づいて冷静に行うことが重要です。
ですが初心者や中級者はこの「データ」「ルール」に基づく冷静な損切りができません。
なぜなら「愛着」という根拠のない不確かな要素が冷静な判断を鈍らせてしまうからです。
その商品を販売するまでに至るリサーチや実際に仕入れるときの苦労を思い出し、ついつい処分価格にするのをためらってしまうのです。
手塩にかけて仕入れた商品をやっとの思いで販売したのですから、その商品に愛着があるのは当然です。
そのため、多くのセラーが「もう少し根気よく販売を続けていればきっと売り上げが持ち直す」と甘い考えを持ってしまいます。
ですがそうした場合の多くは持ち直すことは無く、大抵どこまでも売り上げと価格が下落します。
愛着はあくまでもそのセラー自身の「願望」(もっと言えば単なる妄想です)でしかなく、願いが叶うことはあまりありません。
どんなに愛着があろうが、苦労した商品であろうが、売れない物は売れないのです。
「売れない」というデータが揃ったら、愛着なんて不確かで感情的な理由で撤退の判断を遅らせてはいけません。
商品は大事な家族でも友人でもなく、普段自分が使っている愛用品でもありません。
あくまでも「儲けるために売るもの」であって、持ち続けることが目的でもありませんし、売ることが目的でもありません。
「売ってお金に換えて儲けるためのもの」です。
売れない、利益が出ない商品はどんなに苦労したものでもバッサリ切り捨てて、次の売れる商品を仕入れる資金にしなくてはいけません。
何事も命あっての物種です。(ビジネスで言えば資金あっての物種、でしょうか)
大事な商品だからと言って一緒に沈んでしまっては意味がないのです。
以上のように、損切りは早くても遅くてもいけません。
適切なタイミングがあるのです。
この損切りを適切なタイミングで、感情に流されることなくできるかどうかが上級者、一流の経営者になるための大事なテクニックの一つと言っていいでしょう。
的確な損切りタイミングはここ!
ところが愛着を排除して冷静な損切りをしようと思った時、一つ大きな問題があります。
「どこで損切りするか」というタイミングの問題です。
繰り返しになりますが損切りの判断が早すぎたことで、利益を逃すこともあります。
逆に売り上げが持ち直すと判断して損切りしなかったばかりに、大きな損失を抱えてしまうこともあります。
その時の状況でどっちが正しいのかは変わってきますが、勘や経験でそれを判断しているといつか必ず大きな損失を出すでしょう。
そこで多くの経営者が行っているのが「ルール・条件」の設定です。
「この価格を下回ったら損切りする」「こういった状況になったら損切りする」というルールをあらかじめ自分で設定しておき、そのタイミングが来たら必ず実行するのです。
このルールの設定基準は個々の経営状況や扱っている商品で変わりますが、私のルールでは「想定していた利益額を下回ったら損切りする」ようにしています。
例えば仕入れ時には、あらかじめ利益額や売り上げを想定しているはずです。
「3000円で1カ月に50個販売し、利益率が20%なので600円×50個で月間30,000円の売り上げを見込んでいる」
ざっくり言えばこんなシミュレーションをしていますよね。
この当初想定している利益率を基準に、「損切りライン」を決めるのです。
例えば「3000円で売るつもりだけど、相場が2000円まで下がったらもう売っても意味がないから損切りする」といった感じです。
もちろん場合によっては2000円から持ち直し、損切りしたことで逆に損失を出してしまうこともあると思いますが、それはそれとして割り切りましょう。
・「損切りラインの2,000円を下回ったけどまだ1,800円で売れれば赤字にはならない」
・「今2000円だけどひょっとしたら3,000円まで戻るかもしれない」
このような考えが頭をよぎりますが、これは先ほど解説した愛着、つまり「自分勝手な都合の良い願望」でしかありません。
現実は非情なもので、ニーズや価格が戻ることはそうそうなく、悪い方向に動くことの方がはるかに多いです。
自分が決めた損切りラインが来たら、その後の結末はどうあれ潔く実行しましょう。
感情に流されて都度ルールをコロコロ変え自分の都合の良いように判断していると、いつか必ず大きな損失を被ります。
そのため、「想定していた利益額を下回ったら損切り」、これを徹底してください。
もちろんこのルールの設定は、設定が厳しすぎたり、逆に甘すぎると何の意味もありませんので、損切りラインの設定はシビアに行う癖をつけましょう。
経営判断は機械的に、シビアに淡々と行うこと
なぜ「数値を決めておき、その数値になったら冷静に損きりを実行」するのか。
その理由は商品の売上の流れにあります。
商品が売れなくなっていくときは、株価のように一気にずどんとは落ちず、「じわじわ」と売れ行きが下がっていきます。
そして商品が売れなくなり始めると、多くのセラーが売れ行きを維持するために少しずつ商品の価格を下げていき、それにより「じわじわ」と価格相場が下がっていくのです。
この「じわじわ」が判断を鈍らせてしまうのです。
・「もう上がらないかも…」
・「もうちょっと耐えられる」
・「もう数日様子を見よう」
このような「もう少し〇〇」といった思考になり、それによりいつまで経っても判断が下せなくなりやすいのです。
この思考は先ほどからずっと言っている「損切り貧乏」や「損切りタイミングを遅らせる」原因になります。
人間はその時々で必ず判断に「迷い」が生じるため、それを避けて冷静に経営判断するための「ルール・条件」なのです。
もちろん市場の流れがありますので、その時の状況次第である程度調整するのは構いません。
・「〇〇円までは安全圏だけど経過注視」
・「〇〇円まで来たら危険信号で場合によっては損切り」
・「〇〇円は最終防衛ラインなのでそこまで来たら即損切り」
こんな感じで最終的な損切りラインの前にいくつかの段階や基準を設定しておき、柔軟に対応できるようにしておくのもいいでしょう。
優秀な経営者は例外なくこうした「柔軟さ」と「冷徹さ」の基準設定が非常に上手なのです。
ですが、それでも必ず最終的に決めた「損切りのデッドライン」だけは守り、その時が来たら機械的に即損切りするようにしましょう。
「損切り」は「失敗」ではない
正直なところ、どんな上級者でも本当に仕入れた商品が売れるかどうかは実際販売してみないとわかりません。
どんなにしっかりリサーチしても、思っていたように売れないということは必ずあります。
そんな時、本当に売れなくなる前に被害を最小限に抑えるために多少赤字になったとしても投げ売りし、次への資金・体力・時間を残すのが「損切り」です。
この損切りがうまくなると、赤字になる前に危険を察知して撤退することもできるようになります。
従って損きりは失敗ではなく、「経営テクニックの一つ」で、逆に物販における失敗とは「本当に売れなくなって赤字になってからどう撤退するか考える」ことです。
売れなくなってから「どうしよう」とあたふたしてしまうようでは、時すでに遅し。
損切りではなく「赤字処分」「閉店処分」になり、積み上げた利益や資金の大半を失ってしまうでしょう。
ビジネスを始めるときはほとんどの人がうまくいくイメージを強く持って実行に移すと思いますし、私もポジティブなイメージを持ってビジネスを行うことには大賛成です。
ですがその一方で、経営者は必ず「思ったようにいかなかったときにダメージを最小限に抑える選択肢」を必ず持っておかなくてはいけません。
この「緊急脱出」を持っておくことで、多少予想がズレても気持ちに余裕が生まれます。
また万が一の時は赤字にならないうちに、もしくは赤字が最小限のうちに在庫処分ができます。
リサーチや仕入れの際は、必ずこの事業を生き残らせる上級テクニック、「損切り」を頭の片隅に意識しながら事業を進めていきましょう。
コメントを残す