ビジネスにおける人間の4つの行動タイプについて解説
筆者の個人的な意見ですが、日本人は世界的に見ても「分類」が大好きな人種ではないかと思っています。
その最も身近な物が血液型による分類です。
・A型は真面目で几帳面で神経質
・B型は楽天家で飽き性
・AB型は天才肌で気まぐれ
・O型はおおらかで大雑把
だいたいこんな感じで当てはめて、それで話が盛り上がることも多いと思います。
もちろんこれは統計学上ものすごくざっくりとした、「話のタネ」的な側面が強く、これに当てはまらない人や、当てはめられること自体に抵抗がある方もいるでしょう。
ですが、それを差し引いても日本人は「分類学」が好きな人種ではないかと思います。
実はビジネスでもこうした「分類」があります。
例えば物販ビジネスをやっている方は主に4つの行動タイプに分けることができ、タイプによってビジネスの利益やリスク、拡大スピードが異なります。
今回は「ビジネスにおける4つのパターン」を個別に解説し、メリットやデメリット、やってはいけないパターンなどを解説します。
血液型と違って、ある程度根拠のあるちゃんとした話ですので、自分がどのタイプに当てはまるか想像しながら読んでみてください。
この記事の目次
物販ビジネスにおける人間の行動パターン・傾向は4タイプ!
物販ビジネスにおいて、特に緊急時やピンチの時に人間が取る行動は下記の4パターンに分けられます。
1.前進
2.後退
3.回避
4.保留
例えば「商品の売れ行きが悪い」といったピンチの時に、上記の4パターンに行動が分かれるのです。
それぞれに特徴とメリット、デメリットがあるので、まずはタイプ別に解説していきます。
常に突き進んで攻めの姿勢を崩さない前進タイプ
前進タイプはピンチの時、引くことなくそのまま突き進んで攻めるタイプです。
例えば商品が売れないとき、「じゃあ他の製品を開発してカバーしよう」とさらに攻める姿勢を見せます。
問題が起きたり損失が発生しても、それをカバーするためにさらに売上を伸ばす方法を考えて実行に移します。
前進タイプのメリット
常に売上を上げるための姿勢を打ち出すことから、「チャンスが多い」タイプです。
サラリーマンの世界では余計なことをしないのも一つの方法ですが、ビジネスの世界では行動に移さない者は利益を手にすることはできません。
特にビジネスを始めて間もない頃は、こうした攻めの姿勢を常に打ち出すタイプがスタートダッシュを決めて一気に伸びることが多いです。
前進タイプのデメリット
一方で前進タイプは「やや向こう見ず」な面があります。
攻めること自体は間違いではないものの、ビジネスでは「引き際」も重要なケースがあり、そこを見極められず攻めた結果、損失をさらに拡大させることもあります。
素早く判断を行う後退タイプ
後退タイプ、というとややネガティブに聞こえますが、ビジネスにおいては前進タイプと同じくらい強みのあるタイプです。
後ろ向きなのではなく、「何かあったらすぐに撤退の判断を出せる」タイプと言い換えても良いでしょう。
このタイプは商品が売れなくなったら、すぐ見切りをつけて損切り(在庫処分)の判断をします。
売れないという事実を認め、損失が拡大する前、傷口が浅いうちに現金化して次のビジネスに切り替えます。
つまり何事においても判断が早く、次への行動もスピーディです。
戦国時代において、「撤退戦は最も厳しい、難しい戦」と言われていました。
そんな難しい撤退戦を正しく行える後退型は、非常に頭の良いクレバーなタイプと言えます。
後退タイプのメリット
後退タイプは撤退の判断が早く、見込みのない商品や事業にはさっさと見切りをつけて店じまいできます。
大きな損失を出す前に店じまいできれば、すぐに次の商品や事業に移れますし、自分で納得の上で損失を確定させているので、失敗によるメンタルへのダメージも最小限です。
タイプは正反対ですが、結果的に前進型同様チャンスの多いタイプと言えるでしょう。
後退タイプのデメリット
後退タイプは判断が早いのは良いことですが、判断が早すぎると利益が最大化しにくく、前進タイプに比べるとやや事業拡大が緩やかです。
場合によっては赤字処分の判断を素早くしすぎることもあり、株式の世界で、いわゆる「損切り貧乏」になりやすいのはこのタイプと言えます。
致命傷を受けにくい代わりにリターンも若干小さ目なので、それをカバーするために素早く次の行動を起こしてビジネスを繋げる必要があります。
常に万が一を考える回避タイプ
回避タイプはよく言えば慎重派、もしくは非常に弱気なタイプです。
後退タイプに似ているように聞こえますが、後退タイプは冷静に計算や判断ができるタイプで、弱気どころかむしろ前進タイプ以上に強気でクレバーな人が多いです。
一方で回避タイプは心配性で、商品が売れないとき、もしくはさらにその前の段階、仕入れの時点で安全マージンを大きく取り、仕入れの数量を抑えます。
「不良在庫を抱えるくらいなら、在庫切れで利益を得られないほうがまし」という考えで、要は「絶対にリスクを取らない」のです。
また、仕入れる商品も広範囲のユーザーに向けた商品だったり、他の商品とセット販売できそうな商品など、大ヒットを狙うのではなく「堅調に売れる」商品を選びがちです。
ハイリスク・ハイリターンな前進はしない、そして後退するような状況も作らないのが回避タイプです。
回避タイプのメリット
そもそも最初から安全マージンをたっぷりと取っているので、よほど大きな事件が起こらない限り大赤字などの致命傷を受けることがありません。
また、よほど大きな事件が起きたとしても、他のタイプと違いギリギリ生き残る可能性もあります。
とにかく、「万が一」に強いタイプです。
回避タイプのデメリット
徹底したローリスクローリターンなので、頻繁に利益を取りこぼします。
目の前に成功確率の高いビジネスチャンスがあっても、起こるかどうかわからない万が一を考えてそのチャンスをスルーします。
副業レベルであればこのタイプも素晴らしいのですが、ビジネス展開するうえでこのタイプが顕著だと事業拡大に苦労するかもしれません。
状況が好転するまで耐えて待つ保留タイプ
保留タイプは何か問題が起きた際、焦って動くのではなくジッと耐え、嵐が過ぎ去るのを待つタイプです。
自分ではなく、市場やユーザーといった周りの変化を待ち、自分に良い流れを来るのをひたすら待ちます。
保留と言っても「動くのが得策ではないと考えて静観する」タイプと、「何も考えていないので状況を放置する」がありますが、ここで言っているのは後者です。
「動くのが得策ではないと考えて静観する」タイプは保留型ではなく、むしろ頭脳派の後退タイプと言えます。
保留タイプのメリット
保留タイプのメリットはこれと言ってありませんが、強いて言えば「まれに動かない事が正解なこともある」くらいでしょうか。
例えば価格が下がって損切りしなくてはいけないような商品でも、保留することでたまに価格が戻るときがあります。
他にも、耐えて待つことで状況が好転するケースも0ではないでしょう。
保留タイプのデメリット
好転する可能性があるとはいえ、それはごくまれなケースで、基本的にビジネスの世界で「保留」は悪手です。
武田信玄の「動かざること山の如し」のように、考えがあって動かないのであればそれは戦略と言えます。
ですが、保留タイプのように「ただ状況が良くなることを願って状況を放置」しているのであれば、それは戦略ではなく単なる「現実逃避」にすぎません。
筆者の経験上、ビジネスの世界で状況を保留していて事態が好転したケースは10%もありません。
逆に保留したことでどんどん状況が悪くなって大損害を出したり、大きな利益を見逃してしまうことがほとんどです。
ビジネスにおいてNGなのは「保留タイプ」!
ここまで読んでいて何となく予想できたと思いますが、ビジネスでNGなのは保留タイプです。
保留タイプは言い換えると自分自身では動かずに、「周りの状況が変わってくれるまで何もせず放置する」タイプです。
一方で他の3タイプはアプローチの方法は違うものの、それぞれが「先を読み、現状を変えるために自発的に戦略を考え、動いている」タイプです。
確かに自発的に動くことで損失を広げる可能性はありますが、一方で大きな利益を得る可能性もあります。
しかし保留はほとんどのケースで状況が悪くなるだけです。
少なくても、「自分から利益を取りにいく」わけではないので、良くて「現状維持」です。
ビジネスに正解はありませんが、それはあくまでも「行動の仕方に正解が無い」だけで、筆者の個人的意見ですが「放置は100%不正解」です。
とにかく動き回って自分からチャンスを掴みにいかないと、状況は良くなりませんし、待っていても誰も手を差し伸べてはくれません。
もし保留タイプなら自分を変えよう!
自分の行動パターンを当てはめた結果、あなたはどのタイプだったでしょうか。
前進も後退も回避も、どれもメリット・デメリットがあり、またそれぞれに向いている個人の性格もあるのでどれが正解とは言えません。
筆者のおすすめは前進か後退ですが、正解は無いので自分がやりやすいタイプで進めていき、それぞれのタイプに合った戦略を取り入れれば良いと思います。
ただ、もし保留タイプなら考え方を変えて前進タイプか後退タイプ、最低でも回避タイプに考え方を変えていきましょう。
あなたが大企業の役員であれば保留タイプでも定年まで生活できるかもしれませんが、これから事業を大きくしていこうという場合、保留タイプではまず成功しません。
性格なので変えられない、と思うかもしれませんが、人間は気持ち一つで大きく行動を変えられます。
そのために必要なのが「気づき」と「意思」です。
この記事を読んで自分のタイプに「気づく」事ができたら、あとは「意思」を持って意識レベルで行動を変えていくだけです。
もちろんちょっとずつでも構いませんので、ぜひ今日から意識してみてください。
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