中国輸入ビジネスと切っても切り離せないのが、春節などの中国の長期休みです。
日本とは時期が違いますが、中国にも連休や長期休暇の時期が年に何回かあります。
特に大型休暇になるとその期間はショップや工場、物流業者や貿易関係といった中国輸入ビジネスの関係各所が一斉に休みに入ります。
完全に止まらないところもありますが、それでも平常時よりもはるかに少ない人員で稼働しているので普段と同じような対応は行ってはくれず、納期はかなり遅れます。
中国輸入ビジネスをやっている方にとって、ほぼ物流が止まるこの中国の長期休みにどう対応するかが重要な課題になっています。
物流ビジネスにとって在庫調整は生命線
当然ですが物流ビジネスにおいて在庫は生命線です。
在庫が無いと売る物がなくなる、つまり売り上げが立たずに収入が途絶えることを意味します。
中国が長期連休に入るとその在庫が入ってこなくなるため、何の対策も立てずに長期休みを迎えてしまうとまさに生命線が断たれるわけです。
ここまで説明すると多くの人は「じゃあ長期休みの前に普段の何倍も発注しておけばいいんでは?」と思うかもしれません。
ところがそれも難しいのです。
普段の何倍もの仕入れを行うということは、普段の何倍ものお金が必要になるのです。
物流事業者、特に個人や規模の小さい所で、普段の仕入れ資金とは別で多額の現金を持っている方は少ないはずです。
皆さんは長期休み前に、普段の何倍もの仕入れ資金を用意できますか?
多分多くの方が難しいと答えるのではないでしょうか。
仕入れれば仕入れただけ利益の出る物流で、多額の現金を持っているほうが珍しいと思います。
資金に余裕が無い状態で無理して仕入れて販売のバランスを崩し、キャッシュフローを悪化させてしまうと立て直しが大変です。
最悪そのまま翌月の支払いができなくなる可能性もあります。
このように、在庫が足りなければ在庫が切れて収入が途絶え、在庫を積みすぎると資金繰りを悪化させてしまうため、中間のギリギリの部分で在庫調整を行う必要があるのです。
「いつもより多く、それでいて資金に大きな影響を出さないギリギリライン」の発注という、かなり難しい判断をしなくてはなりません。
そのギリギリの判断に初心者はもちろん、ベテランも毎回頭を悩ませ、神経をすり減らしています。
難しい判断ですが、あまり難しく考えすぎなくても大丈夫です。
例えば中国の旧正月である春節の場合、2週間ほど物流が止まりますが、前後の動きを予想すると大体1カ月ほど物流が止まります。
と言うことは「過去30日で売れた商品数×2倍」の数量を発注すれば、理論上は在庫が足りる計算です。
もちろんこのほかにも色々と加味しないといけない要因はあるため、上記の数字はかなり粗い指標ですが、考えすぎると永遠に答えが出ないので今回はざっくり計算しましょう。
精度の粗い指標だとしても、指標を出さないと話が先に進みません。
では、2倍するための「過去30日で売れた商品」はどうやって調べましょうか。
AmazonのFBA出荷メールで確認する人もいるようですが、時間がかかりすぎるのであまり効率的とは言えません。
過去の販売個数の見方
こで見るのがAmazonセラーセントラルの「注文」です。
Amazonセラーセントラルの上にある「注文」の「注文管理」をクリックします。
次に右上の検索ボックスでプルダウンから「ASIN」を選択し、調べたい商品のASINを入力します。
その次にすぐ下にあるフィルタ項目で「過去90日」を選択します。
これでその商品が過去90日で売れた数量が分かります。
「過去30日じゃないの?」と思った方もいるかもしれませんが、季節要因などもあるので単純に過去30日で数量を出すのは少し危険です。
90日で売れた数量を計算し、その数を3で割る、つまり過去3カ月間の平均販売個数で計算したほうが多くの商品で精度が良くなります。
数量を数えるときに注意したいのが、検索結果の左に出てくる数字は「注文件数」であって「販売個数」でない点です。
注文が5個あったとしても、そのうち1つの注文で3個注文している人がいた場合、注文は5件、販売個数は8個になります。
数量は注文後に表示されているので、それを数えるようにしましょう。
さて、これで過去90日での販売個数の平均が出たので、あとはその数量を基準にして発注数量を判断しましょう。
納期が2倍になりそうなら単純に×2で発注すればいいですし、2週間くらいだな、と思ったら×1.5発注するといった感じです。
もちろんあくまでもザックリとした数字で、休みの種類や時期によって調整は必要になりますが、まずはこの「基準値」を出すことが重要です。
基準値を出したら、そこから季節的要因や市場の状況といった変動指数を引いてやれば、大体の数字が出るはずです。
最後に
中国輸入ビジネスが2年目であれば、先ほどのセラーセントラルのプルダウンで「日付範囲を調整する」を選んでみてください。
ここで昨年と同じ時期の販売数量を見ればより正確な数字が確認できます。
後は中国の休日カレンダーなどで、都度中国の長期休みの把握をしておきましょう。
中国の方はきっちりと休暇を取りますので、休みを忘れてて気づいてから慌てて問い合わせても遅いです。
中国輸入ビジネスをやっている以上、日本と中国の物流事情はしっかりと把握しておきましょう。
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