20年以上の物販経験から得て、今も気を付けている3つのこと
扱っている製品にもよりますが一般的に物販では12月と1月のような繁忙期と、2月と8月のような閑散期があります。
ところが物が売れるはずの繁忙期でも、必ず「売れる商品」と「売れない商品」が出てきます。
この世にある全ての商品は、各メーカーや開発者が苦労して開発し、「売れるだろう」「売れて欲しい」と期待を込めて世に送り出したものです。
ですが、そんな製品たちも実際に販売して見ると、12月や1月といったお客様の購買意欲が高い時期でも売れない物はなぜか売れないのです。
筆者は20年以上物販業界に携わってきたので、ある程度こうした「売れる商品」と「売れない商品」の違いが分かるようになってきました。
筆者はこの経験を基に、今でも商品を売る際に気を付けている3つの鉄則があります。
今回は筆者の経験を基に、この3つについて解説します。
安くても高くてもNG!適正な「相場価格」を知る
意外な事ですが、商品価格は安くても高くてもダメです。
商品には売れやすい「適正価格」というものがあります。
「安くすれば売れて儲かる」は大きな勘違い
初心者やうまく利益を取れていない方に多いのが、「安くすれば商品が売れて利益が出る」という勘違いです。
ニュアンスを伝えるのが難しいのですが、もちろん「安くすれば売れる」のは間違いありません。
ですが、「安くすれば儲かる」は間違いです。
当然商品の価格を安くすればするほど得られる利益は減り、これが続くと労力に対して適正な利益が出なくなります。
そもそも私たち個人や小規模事業者ができる安売りには限界があり、資金力と販売力のある大きな企業に相乗りされたら終わりです。
資金力と販売力のある大企業は、異常に思えるような安売りを行っても、超薄利多売でコストを回収できます。
いわゆるEveryday Low Price(EDLP)で、1年を通して激安価格で安定的に大量の商品を供給・販売できるなら安売りでも利益は出るでしょう。
例えば、商品を箱や袋単位ではなく、コンテナ単位で大量に仕入れて大量に売る、といった規模の大きな販売です。
ですがこの販売方式はそれこそ膨大な資金や大きな流通経路・販売経路が無いとできませんし、個人や小規模事業では不可能です。
多少の値下げは効果的ですが、過剰な安売りはすればするほど自分の首を絞めるだけです。
適正な相場価格が重要!
もう一つ安売りをおすすめしない理由があります。
商品にはすべて「相場価格(市場で大体この価格で販売されている、という価格)」というものがあります。
ペットボトル飲料なら120円~150円、のど飴なら100円~150円といったように、「大体このくらいで売っている」という相場です。
実は、お客様の心理として「相場価格から外れた商品を買いにくい」という特徴があります。
先ほど「安くすれば売れる」とは書きましたが、不思議なことに「安すぎる」となぜか売れないのです。
例えば120円のペットボトル飲料が30円で売っていたら、お客様は「欠陥品?」「消費期限が短いの?」と、安く売っている理由を勘繰ります。
要は「安い=品質が悪い、もしくは訳あり」と疑うわけです。
面白いことに、例えばAmazonでは同じ商品でも、個人が定価の半額で赤字処分している商品より、企業が定価で売っている商品が買われているケースが多々あります。
もちろん逆に120円のペットボトル飲料が200円で売られていたら、やはり買ってもらえないでしょう。
このように、商品相場から大きく外れた価格の商品は買われない、もしくは買われにくくなってしまいます。
どんな商品でもお客様の「このくらいで売っている」という相場感覚があり、そこから大きく外れた安売り価格やぼったくり価格で売ってはいけません。
これを理解していないといつまで経っても「商品をしっかりと売って利益を取る」ことができません。
「付加価値」をつけることで商品は売れる
先ほど、120円のペットボトルは120円前後の相場価格でしか売れない、という話をしましたが、実はそのペットボトルを500円で売る方法があります。
それが「付加価値」です。
商品の価値とは
付加価値を知るには、まず「商品の価値」から理解しなくてはいけません。
商品の価値と一言で言っても、様々な価値の種類があります。
・消費的な価値
・デザイン的な価値
・ブランドネーム価値
これらの価値が、一目でお客様に伝わるシンプルな商品は買ってもらいやすくなります。
また買ってもらいやすい商品の中でも、替えがきかないもの、オリジナリティのある物は価値が高まりやすく、さらに売れやすくなります。
なぜならそこでしか手に入らないからです。
逆に価値のわかりにくい物や、代替されやすいものは売れにくく、また価値が上がりにくいです。
白Tシャツが売れているからと言って、グレーTシャツを作っても白よりも多く、高く売れると言うことはないでしょう。
そこにライバルが同じ値段で黒Tシャツを販売し始めたら、さらにグレーTシャツは売れにくくなります。
なぜならお客様の「着るもの」という価値や観点において、「色」以外の違い、「Tシャツ以上の価値が無い」からです。
白Tシャツと同等程度の価値はあると思いますので、同じ価格で同じ枚数は売れるかもしれませんが、白より高い価格で販売してもおそらく売れないでしょう。
もちろん流行り廃りで特定の色が売れやすいことはあるかもしれません。
ですが結局一般的なTシャツには「消費的価値」しかないので、何色を作っても突出して売れたり、高く売れることは少ないのです。
付加価値をつけることで唯一無二の価値がつく
ところが、先ほどのグレーTシャツに、他の色のTシャツにはない付加価値が付いたらどうでしょうか。
といっても、「余計なデザインを足す」とかではありません。
それでは「色違い」が「柄違い」になっただけで付加価値はつきません。
付加価値とは、お客様が一目見て「これは良い!他では買えない!」と思うものでなければいけません。
例えばTシャツなら「防臭・速乾」といった機能をつけることです。
防臭・速乾機能の付いたグレーTシャツなら、何の機能もない普通の白Tシャツよりも高く、また多く売れる可能性が高くなります。
「着る」という価値と同時に「匂いが気になる」「冬や梅雨時期に早く乾かしたい」という切実なニーズを汲み取った分かりやすい商品だからです。
これが正しい付加価値です。
これを理解していないと、「売れないTシャツ」にさらに余計なコストをかけて変な柄を足し、「やっぱり売れないTシャツ」を作ってしまうでしょう。
正しい価値を伝える「商品ページ」
筆者が気を付けている最後の3つ目は商品ページです。
商品を仕入れても、お店が無ければ商品は売れません。
また、お店があっても陳列が雑で商品が見にくいとか、お店そのものが汚ければ売れません。
商品ページはまさしく私たちの「お店・店先」です
商品はお客様に伝わってこそ価値がある
先ほどお伝えした価格相場や商品の価値も、お客様に情報が正しく届くことで始めてお客様に認識されて売上につながります。
お客様はすべての商品を相対的なものとしてみています。
例えば先ほどの「防臭・速乾機能のある1,000円のグレーTシャツ」だけでは、お客様はその価値を理解できません。
これが高いのか安いのか、お買い得なのかどうかが全く分からないのです。
そこに「1,000円の何の機能もない白Tシャツ」という比較対象があることで初めて「防臭・速乾機能のある1,000円のグレーTシャツは安い」という認識が発生します。
こうした商品が複数あれば、お客様の頭の中に「Tシャツは大体1,000円」という価格相場が形成されます。
その状態に対し、付加価値のある商品を正しく伝えることで、お客様は価値の高いお買い得商品が欲しくてたまらなくなるのです。
「普通のTシャツは大体1,000円」と思っているお客様に「当社のTシャツは速乾・防臭機能が付いて1000円ですよ」と伝えるわけです。
価値のある商品を生み出すのはもちろんのこと、例えどんなに価値の高い商品を作ってもそれを正しく伝えないと売れません。
ところが、Amazonの商品ページを見るとその価値を正しく伝えられていないページがたくさんあります。
せっかく防臭と速乾機能という価値があるのに、そこを強調せず「グレーのTシャツ」として販売してしまっているのです。
これではお客様に「単なる白Tシャツとの違い」が伝わりません。
しかも防臭・速乾の付加価値分、価格を白Tシャツよりも高くしたらお客様は「ただ高いTシャツ」と認識してしまい、ますます売れなくなりそうですね。
そこで商品が持つ「防臭・速乾機能が付いている」という価値・魅力を正しくお客様に伝えることで、初めて白Tシャツよりも高く、そして多く売れる可能性が出てきます。
それを正しく伝える場所が「商品ページ」なのです。
商品ページで最も重要なのはタイトルと画像!
ところが、ネット物販では「文字と写真だけで価値を伝えないといけない」という問題があります。
店頭や実演販売なら売り手が口頭でしっかりと価値を伝えたり、お客様から質問を受けてそれに対して補足したりもできるでしょう。
しかしネットの商品ページでは、商品が持つ価値を一瞬で、しかも一方通行の情報発信で伝えないといけないのです。
そのために重要になのが、お客様が必ず最初に目にする「タイトル」と「商品画像」です。
我々はタイトルと商品画像の2つで、「この商品がどういったものでどんな価値があって、なおかつどれだけお買い得であるか」をお客様に理解してもらわなくてはいけません。
価値を伝えようと、長々と商品説明文を書く方もいますが、商品説明は最終的な購入の後押しにしかなりません。
やはりお客様に強く「欲しい!」と思わせるのはファーストインプレッション、タイトルと画像です。
商品を売りたいのであれば、相場価格と価値が一瞬で伝わるようなタイトルと画像を心がけましょう。
1.相場価格
2.価値・付加価値
3.商品ページ
この3つがぴたりと合致した時、商品は飛ぶように売れるはずです。
もちろん商品説明を軽視していいという意味ではありません。
商品説明には、購入を迷っているお客様の背中を押すという大事な役目があります。
商品を売る合言葉は「相場価格」「価値」「商品ページ」
商品を売るために筆者が常に気を付けているのが以下の3つです。
1.相場価格
2.価値(付加価値)
3.商品ページ
この3つはそれぞれが独立しているようで、最終的にはすべて集約し繋がっています。
これから中国輸入で商品を販売していく方も、ぜひこの3つを意識してみてください。
最初のうちは3つすべて完璧にやろうとすると大変ですので、できることから意識して取り組んでいきましょう。
どれか一つ、何か一つでもアクションを起こすことで売れる確率や可能性は必ずアップします。
ビジネスにおいてアクションに正解はありませんが、「アクションを起こさない」のは確実に不正解です。
小さな事なら今この瞬間から実践できると思いますので、ぜひ今から様々なアクションを起こしていきましょう。
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