Amazon FBAを不良在庫置き場にしているととんでもない事になる!
Amazon FBAを利用している方なら「在庫パフォーマンス指数」というグラフはご存じのはず。
一方、これからFBAを始める方はこのパフォーマンス指標、重要な数字になるので必ず覚えておいてください。(在庫パフォーマンスはセラーセントラルで確認できます)
在庫パフォーマンス指数とは、四半期ごとにFBA販売率、在庫レベル、在庫保管コストなどから「出品者の在庫や販売がどの程度良好に維持されているか」を数値で表したものです。
・400以下「悪い」
・400以上550以下で「良い」
・550以上で「非常に良い」
引用:Amazon
長期間売れていない商品が多い、売れ筋商品の欠品が続く、といった不健全な販売状況が続く場合にこの指標が悪化します。
このスコア、以前は「スコアが高ければ高いほど健全な販売を行っている」という単なる情報指標でした。
もちろん経営状況を知らせる重要な指数なのですが、「へーそうなんだ」くらいにしか思っていないセラーも多かったのが実情です。
ところが2020年9月からこの数値次第でFBAの在庫制限がかかったり、在庫保管超過手数料といったペナルティが課せられるようになりました。
Amazonを利用して販売する方は、常にこの在庫パフォーマンスに注意して販売を行う必要があります。
■在庫パフォーマンス指標を確認し、低い場合は今すぐ改善を!
在庫パフォーマンス指標が550の「非常に良い」を超えている出品者は何の問題もありません。
今後も同様に販売を行っていきましょう。
一方で、500を切っている、もしくは500を切りそうになっている出品者は今すぐ改善が必要です。
販売のプロ企業であるAmazonが「あなたの販売状況が良好ではない」と指摘してくれている状態、つまりあなたの経営は危険な状態であると言えます。
小規模事業者も大規模事業者も、売ることや規模を大きくすることに意識が向きすぎ、ビジネスの全体像が見えていないことが多いです。
売上だけを見て、在庫管理や在庫回転率といった在庫の効率化・健全化をおろそかにしてしまうと気が付かないうちに不良在庫の山を抱えてしまうかもしれません。
不良在庫はキャッシュフローを悪化させる大きな原因ですので、不健全な販売を続けて不良在庫の割合が増加していくとやがて資金が枯渇する危険性もあります。
ですが商品を次々に仕入れないと売れませんし、その過程である程度不良在庫化する商品が出てくるのは仕方がありません。
ですが、その不良在庫から目を背けてはいけません。
ましてやAmazonが自分では気づけない、数値化できない面倒な経営状況の悪化を親切に教えてくれているのです。
指標悪化によるペナルティも問題ですが、それ以上に自分の事業存続のためにも在庫パフォーマンス指標が悪化したらその結果を素直に受け止めて改善に乗り出しましょう。
■在庫パフォーマンスが低いことで課せられる在庫保管超過手数料とは?
もちろんAmazonも親切だけで在庫パフォーマンス指数を通知しているわけではありません。
セラー(出品者)の販売状況が悪化し、不良在庫が増えてくるとAmazonにとっても不都合が起きます。
AmazonのFBA倉庫が単なる「物置」になり、販売手数料の取れない商品の割合が増えてしまいますし、倉庫のスペースも圧迫します。
Amazonにとっても回転率の悪い商品を抱えているセラーは都合が悪いのです。
もちろんFBA保管手数料は取っていますが、商品が売れることで得られる販売手数料に比べたら微々たるもの。
セラーにとってもAmazonにとっても不良在庫は「お金にならない困った置物」でしかないのです。
そんな状況からかAmazonでは2020年9月1日から「在庫保管超過手数料」を導入しました。
「在庫パフォーマンス指標が500を切っている出品者に対し、保管容量を超えた在庫に対して1立方メートルあたり31,727円の在庫保管超過手数料を請求する」
ざっくり言えば「不良在庫を規定以上に抱えている出品者に高額な手数料を請求するよ」ということです。
500という数値は比較的健全な出品者ですので、このハードルがかなり厳しいということが分かります。(そもそも2020年5月にメールでアナウンスされたときは400でした)
家電のような大型商品を多く扱っていると1立方メートルなんて簡単に超過してしまう可能性があります。
その場合、商品在庫数によっては31,727円どころかもっと高額な手数料が発生する可能性もあります。
在庫パフォーマンスは今後の販売次第で改善できますので、まずは自分のパフォーマンス指数を確認し、500前後の危険な水準だった場合はすぐに改善に乗り出しましょう。
■そもそも在庫を滞留させず効率よく回すことが大事
在庫パフォーマンス指標は重要な指標ですが、この数値に振り回され「指標改善のために販売を行う」という考え方は間違っています。
パフォーマンス指標が悪いということは、その人の販売のやり方があまり健全でないから悪化するわけです。
そもそもの話、普段から効率よく在庫を回す販売を行っていればパフォーマンス指標が悪化することもなく、在庫保管超過手数料におびえることはないのです。
在庫を効率よく回すためには「在庫回転日数」と「在庫回転数」をきちんと把握しておくことが重要です。
「在庫回転日数」は自社の商品がどのくらいの日数で入れ替わるかで、「在庫回転数」は年間で自社の製品が何回入れ替わったかです。
・在庫回転日数は45日
・在庫回転数は8回転
上記の数字を基準にして普段から意識してみてください。
自社の在庫をきっちり45日で売り切ると、年間で8回転します。
もちろん商品や販売スタイルによって数値は変わってきますので、あくまでも目安と言うか考え方の一つとして頭に入れてもらいたいと思います。
この基準で商品を販売していけば、自然と在庫パフォーマンス指数を悪化させることは無くなるでしょう。
物販の基本は「いかに素早く売り切って次の商品を仕入れて回転させていくか」です。
というのも、在庫はお金と同様の「価値のある資産」ではあるものの「お金」ではありません。
当たり前の話ですが、商品は売れていない状態では置物と同じで現金や利益にならず、売ることで初めて現金や利益になります。
さらに長期間倉庫で滞留している不良在庫はAmazon手数料がかかるばかりか、時間の経過とともに商品価値もどんどん下がり、利益どころか損失を発生させます。
不良在庫は時と場合によっては赤字よりも大きな問題となります。
そのため、場合によっては1円の利益にならないような価格での販売や赤字で売る「損切り」といった決断も必要になります。
物販で重要なのは回転率です。
自分の資産に愛着を持つ気持ちは決して間違ってはいません。
ですが、利益を上げるためには回転率や滞留率に対して常に注意を払い、パフォーマンス指標を下げないよう対策をして販売を行っていかなくてはいけません。
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